2016年06月01日

0929『学校を改革する 学びの共同体の構想と実践』

★★★★★5
学校を改革する――学びの共同体の構想と実践 (岩波ブックレット) -
学校を改革する――学びの共同体の構想と実践 (岩波ブックレット) - 佐藤学

言語活動、アクティブ・ラーニング、協同学習。

魅力ある一個人である教師が、教壇の上で、1時間講義形式の授業を行う。
そういう授業スタイルから脱皮し、生徒自身が活動し、考え、学び合う授業へ。

30年前からそのような授業形態を模索してきた著者の思想の、わかりやすいブックレット。
ん?ブックレットってなんだ?
辞書には「小冊子」とあった。
じゃあ、文庫、新書、パンフレット、小冊子の違いはなんだ?
拙者にはわからぬが、とりあえず薄けりゃいいんじゃなかろうか。
俯瞰的な書物であり、その知や思想の入り口たりうるような、網羅的な、広角的な。

と、何か疑問に思ったようなことをつぶやくと、教えてほしいと思うと、それを教えてくれる友がいる。
そんな理想の共同体。

「教え合う関係」ではなく「学び合う関係」を推奨するのには、他にも理由がある。「教え合う関係」では、教師や仲間の援助を「待つ子ども」を育ててしまう。「待つ子ども」は、中学校、高校になると、ほとんど必然的に「恨む子ども」へと転じてゆく。(p30)


批判もある。
「生徒主体では行き着くべきところに行き着かない場合があるのではないか。」
探求、果てしない。オープンエンドで、結局言いたいことがわからない。
これは、「美しさ」の議論でもある。
本当の「美しさ」はあるのか。
「美しさ」とは、時代や評価媒体によって違わないか。
同じように、教えるべきこと、行き着くべきところはあるのか。
不易と、流行。
この、「不易」は、どの程度なのか。
道徳的価値。必修領域。必須到達度。

学習指導要領にのっとって、教えるべきことを詰め込めばいいのか?

学びの共同体とは、生徒の自律を育むと感じた。
生きる力を育む教育と感じた。
生徒自らの学ぶ力、聞く力、
お上からの何かを待つのではなく、自分たちで学んでいく。

あるいは関係を編み直す。
世界的な政治課題や環境課題などを解決していこうとするとき、学びの共同体に近い関係を作れる人間は、強い。

本書途中で民主主義、という言葉が出てくるが、人間個々の尊厳、そういうことにまで話がいきそうな。

ともかく、著者の思想の概要に触れ、熱気に触れ、新しい方向性について考えられた一冊。

学校内部の分裂のツケは必ず生徒のところにしわ寄せがいくし、改革に真摯に取り組む良心的な教師たちに深い心の傷を残してしまう。もし学校改革が校内に分裂を生み出すようであれば、決して改革に取り組んではならない。改革がもたらすデメリットの方が、改革によるメリットよりもはるかに大きい。(p22)
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2016年04月10日

0928『新中学校 学級・学年づくりのポイント 1年』

★★★3
新中学校学級・学年づくりのポイント 1年 -
新中学校学級・学年づくりのポイント 1年 - 松本幸夫

著者である松本氏は、現在退職されて、執筆や講演活動を行っておられる方。
「新」とあるのは、元は1982年に発行されたものであるから。
改訂版を作ろうと出版社に持ちかけられ、著者は部分改定ではすまされない、生徒の変化、親の変化、社会の変化など、時代の変化を感じたそうだ。

「新」といっても、本書は2002年刊行。
あれから10年。
更に学校現場は変化している。
でも、不易と流行。
人が集い、笑いあい、学びあう、という点においては、変わらぬところも多いはず。

※学校現場の変化は、ICTによるところが大きい。
ICTによって、子どもの学校外での過ごし方も変わってきている。
そうして子どもが持ち寄ってくる「文化」が変わってきている。
「人が集い、笑いあい、学びあう」と書いたが、ICTによって、「人が集い」も変化してきている。スクーリングの必要性が低下してきた。

本書は小学校から中学校へと入学してきた、その移行の時期でもある1年生を対象にして書かれた教師の指南書。

対立や抗争は学校には本来なじまないものです。協力し共同して生徒の成長を願うところが学校のはずです。(p202)

との立場に立って書かれた本書。

もっとも気がかりなのは、教師がいちばんきつい状況に追い込まれていることです。多くの教師が実践への自信を失い、不安の中に日々の教師生活を送っているのです。(あとがき)


教師へのエールの一冊。
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2016年04月03日

0927『だるまちゃんとかみなりちゃん』

★★★3
だるまちゃんとかみなりちゃん (こどものとも絵本) -
だるまちゃんとかみなりちゃん (こどものとも絵本) - 加古里子

いつも思うのだけれど、この人の絵本の魅力は、「描き込み」にあるなあ。
いろんなところで、いろんな人が、いろんなことをしている。
それを眺めているのが、楽しい。

きんとうんみたいな雲に、アンテナとハンドルがついている。
ドラえもんなんかに出てきそうだけれど、このハンドルつき雲の発案者は、もしかして加古さん・・・?

だるまちゃんは えい やっ! と とびはねました。
うんと とおくから かけてきて うんとこさ! と とびあがりました。
かさを もって ぴょんとこさ! と はねあがりました。
しかし どうしても とどきません。
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0926『てぶくろ』

★★2
てぶくろ―ウクライナ民話 (世界傑作絵本シリーズ―ロシアの絵本) -
てぶくろ―ウクライナ民話 (世界傑作絵本シリーズ―ロシアの絵本) - エウゲーニー・M・ラチョフ え/うちだ りさこ やく

ロシアの、ウクライナの民話。
実家にあった本で、むかしむかし、自身が母親に読んでもらった記憶がある。
それを、今、我が子へとバトンを渡している。

雪の日、おじいさんが落としたてぶくろの中で、さまざまな動物たちが共存する。

「くいしんぼねずみと ぴょんぴょんがえると はやあしうさぎと おしゃれぎつと はいいろおおかみと きばもちいのしし。あなたは?」
「うおー うおー。のっそりぐまだ。わしも いれてくれ」


肉食のものたちもいて、このひとたちいっしょで大丈夫かな、と思った記憶がある。
今思うに、寒さの前では、みな同じということか。
それほどまでに、おじいさんのてぶくろは暖かい。

てぶくろから顔を出している動物たちの絵が、なかなかシュールで、記憶が蘇った。
posted by B&M at 02:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0925『ゆうちゃんとめんどくさいサイ』

★★★★★5
ゆうちゃんとめんどくさいサイ (こどものとも絵本) -
ゆうちゃんとめんどくさいサイ (こどものとも絵本) - 西内ミナミ さく/なかのひろたか え

「あら、いやだ。はを みがかないから、はが きばになっちゃった。きばがある こは、オオカミさんの こどもに おなり!」
 そう いわれても、ゆうちゃんは へいきの へいざ。
「それじゃ おかあさん、いってきまーす。バイバーイ」


ゆうちゃんのふてぶてしさと、生きる力を感じた。

その後、さまざまな家庭を転々とするゆうちゃん。

めんどくさいサイに会って、自然と「めんどくさい」と訣別していく子どもの姿。
そういう自然な姿に、感銘を受けました。
posted by B&M at 01:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0924『にんじゃサンタ』

★★2
にんじゃサンタ (PHPにこにこえほん) -
にんじゃサンタ (PHPにこにこえほん) - 丸山誠司

柔軟な絵柄。
曲線が映え、躍動感がある。
この絵は、一見の価値あり。

にんじゃサンタは修業で、かくれたり、もぐったり、まいたり、
それが、12月24日に役に立つ。

ひたすら はしるのです
(ひたひたひたひたひた)


サンタクロースがにんじゃかもしれない、という、新時代の、男の子が好きそうな、新しい発想。
posted by B&M at 01:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0923『とうちゃんなんかべーだ!』

★★★★★5
とうちゃんなんかべーだ! (おとうさんだいすき) -
とうちゃんなんかべーだ! (おとうさんだいすき) - 伊藤秀男

こうえんの いけまで、
じてんしゃきょうそうも したし、
おたまじゃくしも とったし、
ブルーギルも つったし、
なつに つかまえた くわがたも、
ちゃんと ひょうほんばこに いれたし、


うしおくん、たいそうたくさんおとうさんと遊んでもらったみたい。
でも、まだ不満みたい。

そうしたら、ふすまをあけて、ヤツが出てくる。
その、不気味さと、驚きで終わる、不思議な絵本。

解析してみるに、お父さんは子どもと大層、というか、とことん、遊んでいる。
子どもがいるから、お父さんは、童心に返っているみたい。
疲れたお父さんは、ヤツになったのかな?
トロンとした目、疲れ果てて姿が変わったのかな?
そして、「ひみつのもり」へ。
大人世界とは違う世界へ、さらにうしおくんを連れて行くのだな。

うしおくん、あるいは絵本を読んでもらっている子どもたちにとっては、これはどういう絵本?
遊んで、遊んで、遊び倒して、さらに異界のものとも遊び倒せるっていう、遊戯賛歌?
あるいは、あんまり大人と遊びすぎると、ヤツが来てしまうぞっていう、警告なのかな?

驚きとともに、深く読める、心に残る、名作絵本でした。
posted by B&M at 01:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0922『英語ハックス』

★★★3
楽しく、ラクに、シンプルに! 英語ハックス -
楽しく、ラクに、シンプルに! 英語ハックス - 佐々木正悟、堀E.正岳

ハックス本の、英語学習版。
いろいろな英語学習のハックスが載っている。
それらを試してみるだけでも、英語学習のとっかかりになりそう。

個人的に、

2-2「カタカナ発音」で発音してみる
5-1朝一番に思いついた英語をとにかく書いてみる
5-3アメリカ人のブログにコメントをつける
5-4英語で「4行日記(ブログ)を始めてみる」
6-4リーディング問題は"4段階変速ギア"で駆け抜ける

などが参考になった。
アウトプット関係で、こうやって気軽に、簡単に、という提案が特によかった。

間に挟まれるコラム「私の英語ハック」は、少々ボリューム不足か。

アードライ・E・スティーブンソンは、党大会で見事な言葉を残しています。
「すべての人の心をつかもうと計算しつくされた言葉は、誰の心にも届かない」(おわりに)
posted by B&M at 01:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 英語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月03日

0921『しあわせの観覧車』

★★2
しあわせの観覧車―あなたの視点を変える言葉と写真の物語 (こらぼん。) -
しあわせの観覧車―あなたの視点を変える言葉と写真の物語 (こらぼん。) - 吉井春樹×雨樹一期

こらぼん、第二弾とのこと。
写真+詩集。

良い感じの写真がそろっています。

観覧車に乗ると、アングルが、視点が変わっていく。
そうして、しあわせ、が見えてくる。

しあわせは
照れ屋です、きっと。
(…)
見つけられるのを
待っているはず。


図書館にそっと置かれてあった、10センチ四方の正方形の本でした。

たとえば、
さよならの日が、
はじまりの日であるように。
posted by B&M at 23:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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