
「反」読書法
山内 昌之
樋口氏の「実読」と「楽読」のようなことを、山内氏もおっしゃっておられる。
「反」読書法とは、「他人がどういう本を読んでいるのかをまったく気にしない(p12)」、つまり世間一般の読書とは違っていい、自分の興味、興奮中心の読書法ということ。
こま切れ時間などを駆使して、可能な限りその知の領域にどっぷりと浸かることが必要と説いている。
本の価値としては、著者のユニークな本案内、読書日記あたりにあるのではないか。
普通に読んでいては出会えないような本(学術的なもの)に縦横無尽に触れられておられるのが刺激的だった。
まあ、僕は、そこに書いてあるほとんどを未読なのだけどもね。
読書する際に、あらかじめ著者や作品に偏見をもってはいけません。(p33)
ところで、戦史や戦略学は、欧米では大学やアカデミーの重要な学問領域とされており、どこの本屋に出かけても広いスペースを割いています。(…)むしろ真の平和を達成するには、いかに軍事や戦争を廃絶するべきか、必要な知識をもたずにこの問いに答えられると考える人はあまりにもナイーヴにすぎます。(p34)