
『希望の国のエクソダス』取材ノート
村上 龍
中学生が一斉に登校拒否になって蜂起する小説のための取材ノート、対談の記録。
このようにして、あのようなリアリティのある長大な小説は生まれるのだ。
そして彼らが示してくれる可能性は、そのすべてがわたしの専門外の情報だった。個人的にはまったく興味のないこともあった。だがわたし自身の興味などどうでもよくて、重要なのは『希望の国のエクソダス』という小説にとって必要な情報かどうかということだった。(物語が情報を捉える瞬間──『希望の国のエクソダス』が生まれるまで)