
思考の整理学 (ちくま文庫)
外山 滋比古
ちょっと考えると、籠城している人の方がいい論文を書きそうであるが、実際は人とよく会っている人の方がすぐれたものを書くようだ。
読むたびに思考についての新しい知見が得られる。
先日、本屋の店頭にこの本が並んでいた。
実は僕は、この本をちょっと読み、読みくさしてはまた読み、と、大学時代からかかってやっと読み終わったのだ。
今日の本屋の店頭に、この、僕が誕生する頃に書かれたエッセイ集が並ぶこと、そして、ここに書かれてあることに、現代の人々も大いに得るところがあるということ。
どこかの雑誌で、著者外山氏のエッセイを見かけたことがある。
この人の文章は、わかりやすい。
リズムがよく、軽石を跳ぶように様々な事象を跳んでいく。
この分類されたものを、じっくり時間をかけて、検討する。急ぐと、ひそんでいる価値を見落とすおそれがある。ひまにまかせてゆっくりする。忙しい人は整理に適しない。とんでもないものをすててしまいやすい。整理とは、その人のもっている関心、興味、価値観(これらはだいたいにおいて同心円を描く)によって、ふるいにかける作業にほかならない。価値のものさしがはっきりしないで整理をすれば、大切なものをすて、どうでもいいものを残す愚をくりかえすであろう。
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2020/05/03 追記
4/23のYahoo!ニュースにて、本著が紹介されていて、少し再読した。(正確にはJBpressの記事を紹介したもの。)
改めて驚くのは、1983年、約40年前の出版だということ。
そして、少し自信をもったのは、今回の引用箇所のところに、自分がボールペンで線を引いていたこと。
この人の本、マイ・バイブルにしたほうがいいな・・・。
リンク:
コロナ休校の今こそ読みたい『思考の整理学』の教え(JBpress) - Yahoo!ニュース