2020年08月03日

1155『猫を棄てる 父親について語るとき (文春e-book)』

★★★★★5
猫を棄てる 父親について語るとき - 村上 春樹, 高 妍
猫を棄てる 父親について語るとき - 村上 春樹, 高 妍

言い換えれば我々は、広大な大地に向けて降る膨大な数の雨粒の、名もなき一滴に過ぎない。(…)たとえそれがどこかにあっさりと吸い込まれ、個体としての輪郭を失い、集合的な何かに置き換えられて消えていくのだとしても。いや、むしろ(…)(no.567)


Kindle本。

コロナの時代に、書店に行かなくても手に入った。
値段について割高だと言う人もいるけれど……。

著者と父の歴史。
そこに猫が。

小説家が身内について語る時。
ファミリー・ヒストリー。

歴史は過去のものではない。それは意識の内側で、あるいはまた無意識の内側で、温もりを持つ生きた血となって流れ、次の世代へと否応なく持ち運ばれていくものなのだ。(no.586)


春樹氏の「それを、メッセージとして送りたくはなかった」という気持ち。
それは猫を含めた物語として、メッセージ「性」をもって響き、僕は自分の祖先、この国の過去と地続きであることを意識することができた。
posted by B&M at 13:18 | Comment(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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