
子どもは若殿、姫君か? 現代教育論批判 (ディスカヴァー携書) 川嶋優
皇太子殿下恩師にして元学習院初等科長、学習院名誉教授。
共感と波紋の講演の完全書籍化。
年号が令和になりますね。
皇太子殿下恩師というのは、売り文句のような気もしますが。
講演の書籍化ということで、章のページ数のバランスとか、この文量で1000円かよというツッコミはさておいて。
現在の教育界にばっこする誤った4つの教育方針、
1.個性尊重
2.親の価値観を押しつけるな
3.教えるな、考えさせよ
4.叱るな(怒るな)
に対する反論。
1、2については、個性なんてはじめからはない。
親の考えをまず押しつけないでどないする、という立場。
それについては、それもそうかもしれない、と思った。
3についても同じ。
教えずに考えさせろなんて無理、という立場。
4については、感情的に怒ることも、場合によっては子どもに響くんじゃありませんか?という感じ。
どれも、そうかもしれないなあ、と思う。
偏りすぎた教育の天秤を、正常に戻すための反論の書、といった感じでもあった。
第8章、9歳までの教育と10歳からの教育を区別する、というのは新しかった。
死の恐怖を理解し始め、抽象を感じ始めたら、臨界期。
ギャングエイジ、小学校では軽んじられているかもしれないけれど、一番重要ですよ、と。
どうも、理屈で子どもを育てようとしているように思えます。その結果、子どもたちはどうなったでしょうか。そのことの責任をだれに問おうというのでしょうか。育児書にこう書いてあるからではなくて、親は自分の本能で子どもを育てるべきだと思います。(p118)