
こわいものが こないわけ (講談社の創作絵本) - 新井洋行
おばけも、おおかみも、かいじゅうも来ないよ。
そう、お姉ちゃんが語りかけます。
せなけいこさんの『ねないこだれだ』や、オニオニ(なまはげ)教育、
そしてそれらに打ち勝とうとせんとする、ヒーロー戦隊への傾倒。
子どもは、我が子は、そうやって、畏怖の念を抱いたり、怖いものを知ったり、だからこそ優しくなれたり、臆病さに打ち勝つ勇気を見つけたり、強くなろうとしたり、するんだろうと信じて、ここまでやってきた。
自らが生み出す幻影と戦う点では、あるいは不健全かもしれないが、現実世界に敵を探し、それらを駆逐せんとすることは、あるいは迷惑なのかもしれない、という思いもあるのだ。
「桃太郎」の昔話を別の視点で見ると、平和な鬼たちにただただ凶悪だというレッテルを貼り、ぼこぼこにするという、バカリズムさんのお笑いを思い出します(YouTubeにあるかもしれないので検索してみてください)。
ともかく、そんな怖いものが現れる夜、についての、大丈夫だよ、というお話しか、と思っていたら、いやはやまた。。。
でも、こわがることができるときにともかくこわがっておくっていうのも、のちにいい経験になるのかも。
ねえ おねえちゃん、
さっきの えほん こわかったね。
よる おそく おきている こは、
おばけに つれて いかれちゃうって おはなし、
ほんとうかな?