
とうちゃんなんかべーだ! (おとうさんだいすき) - 伊藤秀男
こうえんの いけまで、
じてんしゃきょうそうも したし、
おたまじゃくしも とったし、
ブルーギルも つったし、
なつに つかまえた くわがたも、
ちゃんと ひょうほんばこに いれたし、
うしおくん、たいそうたくさんおとうさんと遊んでもらったみたい。
でも、まだ不満みたい。
そうしたら、ふすまをあけて、ヤツが出てくる。
その、不気味さと、驚きで終わる、不思議な絵本。
解析してみるに、お父さんは子どもと大層、というか、とことん、遊んでいる。
子どもがいるから、お父さんは、童心に返っているみたい。
疲れたお父さんは、ヤツになったのかな?
トロンとした目、疲れ果てて姿が変わったのかな?
そして、「ひみつのもり」へ。
大人世界とは違う世界へ、さらにうしおくんを連れて行くのだな。
うしおくん、あるいは絵本を読んでもらっている子どもたちにとっては、これはどういう絵本?
遊んで、遊んで、遊び倒して、さらに異界のものとも遊び倒せるっていう、遊戯賛歌?
あるいは、あんまり大人と遊びすぎると、ヤツが来てしまうぞっていう、警告なのかな?
驚きとともに、深く読める、心に残る、名作絵本でした。