
キャラ化するニッポン (講談社現代新書) - 相原博之
キャラなしでは生きていけない!(帯)
キャラで読み解くニッポン。
キャラクター、キャラ、どんなキャラで生きていくのか、キャラが与えられない、キャラ化=単純線化する社会、コミュニケーションに用いられるキャラ。
キャラとは?
うわべの自分。
他者から見た分類づけ、認識されるもの。
他の場所にある自分。
本来や本質と違う、メディアなどで受容され、消費される自分。
最近の母親は、自分の子どもの発達が他の子と比べてどうなのかを異常なまでに気にかけるという。(…)全幅の信頼をかけてくれるはずの母親から常に不安、不信のまなざしを向けられる子どもたちは、当然強い不安を抱えたまま成長する。(…)そうやって育った若者たちが移行対象としてのキャラクターを手放せない、そこに深く依存してしまうのは仕方のないことなのかもしれない。(p34)
宗教なき時代の、お守り、お札=キャラ?
127,128ページの「インタビュー調査で得られた「キャラ」一覧」はなかなかの読みごたえ資料。
キャラ化はまた、お約束のコミュニケーション手法でもある。
(…)
これは、コミュニケーションを常に想定内に収めるための技術だと言ってもいい。(p132)
「コミュニケーション」について考え続けているが、その一端を担ってくれる本。