
フィリピンで働く―海外へ飛び出す〈2〉 (海外へ飛び出す (2))
- 作者:
- 出版社/メーカー: めこん
- 発売日: 2001/10
- メディア: 単行本
こうしたフィリピンの庶民生活を見ていると、「貧しいことは、必ずしも不幸ではない」と思えると同時に、日本で異常な犯罪が起きるたびに「経済的に豊かになったことが、果たして本当の幸せなのか」と、疑問を抱く。(右からのp10)
フィリピンに旅行したことがある。
その時に、現地を知るために購入した本。
アジアのこうした国を実際に見れたことは、大変ためになった。
本書は、右からと左からの、両方からの本で成り立っている。
右から読むと、働いている人々のインタビューが縦書きで読める。
左から読むと、旅立つ前に、日常生活、交通、電話とインターネットなど、旅行や現地生活に役立つ情報が載っている。
この、左から読む部分は、普通のガイドブックなどよりも、かなり力になった。
シリーズの名前は、「海外へ飛び出す」。
村上龍氏が、なんでこんな鬱屈した国である日本に、若者はいつづけるのだろう、というようなことを言ったことがあった。
海外へ飛び出して、活躍すればいいのに、というようなニュアンスも含めて。
そして、日本国は、へたすれば優秀な人材の流出を止められず、没落するぞ、というような警告も含めて。
確かに、ストレスや異常犯罪などを考えると、必ずしも日本で生まれて、日本で育つことがベストだとは言いきれないかもしれない。
そういう視点を持って、今の生活を振り返るのも、必ずしも無駄とは言えまい。
出版社名が「めこん」ってのもいい。(メコン川 - Wikipedia)
フィリピンの川じゃないけれど、メコンとは、偉大な川、大きな川を意味するらしい。
広い視野を持つのに良い本。
もちろん、「いや、フィリピンは治安がいいよ」とは決して言えない。貧困と同居する庶民が多いので、金品を狙う事件は毎日のように起きている。(右からのp8)