
死刑執行中脱獄進行中―荒木飛呂彦短編集 (SCオールマン愛蔵版)
荒木 飛呂彦
長編連載をしているとそちらにアイディアを使うので短編はあまり描かない、という『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木氏の短編集。
死んで「魂」だけになる前は 自分の「価値の中心」は数字だった
稼ぐ金額は他人より多い数字
成績の順位は他人よりも少ない数字
新幹線は一分でも速くだし
年齢は一歳でも若くだ
髪の毛は一本でも多く
体脂肪率は20%以下(p153)
基本的にジョジョのノリ、絵柄。奇譚集、というのにふさわしい。
あとがきもそれなりに面白かった。
どんな短編のタイプがあるのか?
A登場人物の行動や思いをひたすら追いまとめた作品。
Bほんの短い時間の出来事を切り取って、そこに人生やテーマを閃光のように象徴させる作品。
Cナンセンスやサスペンス、ムード、デザイン、エロ、グロ。それそのものを描くのを目的とした作品。
D日記やエッセイ、手紙。
ちなみに作者によるところ、この短編集にはDモノ以外が収録されている。