2017年08月27日

0961『毒親育ち』

★★★★★5
毒親育ち -
毒親育ち - 松本耳子

不幸自慢にはしたくなかった。頑張ったドヤ顔自慢にもしたくなかった。(あとがき)


親を「責めるつもりもない」。「子どもは親が好きなんです」。
自分の親について描きませんか、と担当編集者さんからお話があり、描こうと決めた松本氏。
描く上では、自分の過去と向き合うつらい作業が待っていたという。(あとがき)

Chapter6まで、著者の半生をドキュメンタリー風に、漫画で読める。
壮絶な人生に、ただただ言葉を失う。
客観的に、あくまで読者目線で描ける筆致にも脱帽。

そしてChapter7、両親が他界し、そしてどんどん自分の人生を前向きに受け入れていく様は、圧巻だった。

自分を追い込んで耐えて頑張りすぎて病気になって・・・
それって立派なことですか?
(ギクッ)

そこに
私以外にできるヤツはいないのだッ!!
といううぬぼれはないか?
(ギクギクッ)

上書きしますか?
はい。
(カチッ)(p107)


多くの本を読み、自分自身の「感情デトックス(p111)」を行う。
親から渡された「バトン」。
悪いバトンは子どもに渡したくない。
いいバトンを渡したい、と決意する。

巻末に、精神科医の熊代亨氏の解説がついている。
「「遺伝だから」「毒親だから」と諦めては勿体ないということのひとつの可能性(p121)」をみせてくれる本書を、客観的で、穏やかな、優しい視線から解説されていて、好感がもてる。

 松本さんはご自身の頑張り性をネガティブに捉えてらっしゃいますが、毒親の重力から脱出するにあたって、その「必死になれる」性分が幸いした部分があるかもしれません。(p122)


解説の最後に、父親のありかたについて書かれていたが、シングルマザーの家庭なども増えた昨今、つまりはいかによき父性的なるものを獲得するかが大事なのだと思った。

 ***

私事だが、去年の10月から、だいぶ投稿があいてしまった。
このブログから自然と興味が離れ、寄りつかなくなってしまった。
そうして習慣がなくなり、また再び寄りつくことが難しくなる。
こうした「アンカーをうつ努力」は、面倒くさく、日々を時に重くする。
だから、なるべくそんな面倒なものは手放し、日々を軽やかに生きていきたい、と思うこともしばしば。
でも、そうした「アンカーをうつ努力」はまた、日々を大切にしたり、輝かせたりすることも事実。
上手に読書をして、上手に自分の血肉にしていこう、と考え直した今日この頃。
前向きに生きる、この作者さんの影響もあってのことかもしれない。
また今日のいい本との出会いに感謝して。
posted by B&M at 06:35| Comment(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする