
新中学校学級・学年づくりのポイント 1年 - 松本幸夫
著者である松本氏は、現在退職されて、執筆や講演活動を行っておられる方。
「新」とあるのは、元は1982年に発行されたものであるから。
改訂版を作ろうと出版社に持ちかけられ、著者は部分改定ではすまされない、生徒の変化、親の変化、社会の変化など、時代の変化を感じたそうだ。
「新」といっても、本書は2002年刊行。
あれから10年。
更に学校現場は変化している。
でも、不易と流行。
人が集い、笑いあい、学びあう、という点においては、変わらぬところも多いはず。
※学校現場の変化は、ICTによるところが大きい。
ICTによって、子どもの学校外での過ごし方も変わってきている。
そうして子どもが持ち寄ってくる「文化」が変わってきている。
「人が集い、笑いあい、学びあう」と書いたが、ICTによって、「人が集い」も変化してきている。スクーリングの必要性が低下してきた。
本書は小学校から中学校へと入学してきた、その移行の時期でもある1年生を対象にして書かれた教師の指南書。
対立や抗争は学校には本来なじまないものです。協力し共同して生徒の成長を願うところが学校のはずです。(p202)
との立場に立って書かれた本書。
もっとも気がかりなのは、教師がいちばんきつい状況に追い込まれていることです。多くの教師が実践への自信を失い、不安の中に日々の教師生活を送っているのです。(あとがき)
教師へのエールの一冊。