
九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子 (ビームコミックス) - 九井諒子
ファンタジーな設定が現実世界に当てはめられて、思いもかけない結末へ。
現実世界を巧妙に写しとる描写があるから、ファンタジーな設定でも、説得力のある話になるのだろうな。
7つのかわいい竜のお話が入っている短編集で(竜が出てこない話もあったが(人魚、超能力))、作者の久井さんの表現方法の豊富さもあって、飽きずに読めた。
人魚の人権とか、戦争とか、メッセージ性があるんだけど、ファンタジーな設定でうまく伝わってくる。
現在の法律では人魚を殺しても殺人罪にはなりません
また過失を主張した場合は一分の罪にも問われません
はたしてこんな恐ろしいことがあっていいのでしょうか?
どうか人魚に 人権を(p069)
特に「金なし白緑」は、芥川龍之介の短編みたいな小気味よさ。
そして、絵の雰囲気に圧倒された。
さいごのほろりと泣けるところも素晴らしい、の一言。
そして最後の「犬谷家の人々」には大笑い。
本当に楽しい一冊でした。
iBooksで読んだ。
リアル本は¥ 713
Kindle版は¥ 428
iBooks版は\ 640
なんだ、iBooksは割高だなあ。
解像度とか、品質に違いはあるのだろうか?(同期の方法に違いはあるようだ。参考:KindleとiBooks、どっちを使う? - ラノベら〜ず)
Mac版/iPad版Kindleアプリが無料で存在するので、iBooksに固執する必要もなさそう。
ただ、iBooksはiTunes周りのアプリなので、Appleアカウントでことが済むのがよさそうなところか。
Kindleは当然、Amazon周りのことになる。
AppleもAmazonも廃業することはなさそうだし、データの管理に関しては問題ないと思うのだが・・・。
やっぱり、電子データって、特にクラウド的なものって、不安。
モノとして独立してユーザーに届けられるわけではなく、再生機も必要だし、サービス会社との二人三脚って感じ。
WindowsやMacをアップデートしながら使い続ける感じ。
足かせを架せられるって感じ。
でも、生きるってそういう感じ?
ついでに、目に優しいとかいうKindleのハードにもちょっと興味が。
6800円?で最下位の機種。
高いのか、安いのか。
電子書籍に関しては、線が引けない書き込めない、バッテリーの問題など、いろいろ不都合はありそう。
紙の本に親しんできた30余年、なかなか抵抗はありそうな。
僕的には、技術的にもう少し進歩しないと、どっぷりとは考え辛い。
ただ、漫画に関しては、線を引いたり書き込んだりしないので、電子書籍で読むことにあまり抵抗はなかった。
今後、こうやって漫画は読んでいくことになりそう。
九井諒子「九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子」カバー制作過程を密着レポート (1/3) - コミックナタリー Power Push にて、表紙の作成時のこと、それと、1話無料で楽しめます。
参考になった記事:
日本に上陸したアップル「iBookstore」、アマゾン「Kindleストア」を徹底比較! 日経トレンディネット