
とこちゃんはどこ(こどものとも絵本) - 松岡享子さく 加古里子え
これは、とこちゃんです。
とこちゃんは、おばあちゃんにもらった このあかいぼうしが きにいって、どこへいくときも、これを かぶっています。
このとこちゃんが、とことこ、どこかへ行ってしまう。
目を離した隙に、とことこ、どこかへ行ってしまう。
読む人は、とこちゃんどこだ、と、ウォーリーを探せばりに、いろんな人々を眺めながら、とこちゃんを探すことになる。
よそのひとは とこちゃんをみて、よく、
「まあ、げんきそうな ぼっちゃんだこと」
と、いいます。するとおかあさんは、
「げんきすぎて こまるんですの。ちょっと めを はなすと、すぐ とことこかけだして、どこかへ いってしまって」と、いいます。
小さな子は、なぜどこへでも行ってしまうのだろう?
親の監督がなっていないから?
好奇心旺盛で、冒険が好きだから?
迷子になるのが怖くないから?
そのくらい、世界が平和だから?
最後にはきっと、両親は自分を見つけてくれるだろうと確信しているから?
小さい頃、読んでもらった記憶が残っていた、再会本。
その絵の感じなど、懐かしさで心がいっぱいになる。
ちょっと古き良き時代を感じられるところも、いいところ。
かえりみち、おとうさんも おかあさんも、とこちゃんの てを しっかりにぎって、はなしませんでした。