2011年08月21日

0721『あのときの王子くん』

★★★★4
あのときの王子くん(縦書き) [単行本(ソフトカバー)] / Antoine de Saint-Exupery (著); Antoine de Saint-Exupery (イラスト); 大久保ゆう (翻訳); リブロリア.ネット (刊)
あのときの王子くん(縦書き) [単行本(ソフトカバー)] / Antoine de Saint...

読んだものは、上記Amazonリンクのもの(2008年ソフトカバー)ではなくて、
iPhoneの「豊平文庫」という青空文庫リーダーのもの。
はじめてiPhoneで一冊を読み通したことになる。

旅先、深夜に読んだ。
明りをつけなくても読めるのは重宝した。
マーカー機能はないので、線引きはできない。
ただ、4色のしおり機能があって、それでしるしをつけて読んでいった。(字の大きさを変更するとずれてしまうと思われるので、注意。)

iPhoneは初期の3Gなので、操作はところどころ重く感じたが、挿し絵が入っているにもかかわらず、読書行為自体には影響がなかった。
電子画面ということも、読みたいという思いさえあれば、特に支障なかったように思う。

これが、いやいや読まされる教科書や、読み飛ばすビジネス書などだったら、ちょっと違うのかな、と思ったりした。
特に、パラめくり高速読書はできないなあ。

また、本総体としての捉え方ができないので、リアル書籍だと手に残る、「あと残りページこのくらい」みたいなものとか、「ページのここらへん」とかいう記憶は残っていない。
もちろん、本の重さも、すべてiPhoneの重さだから、本固有の記憶とはならないだろう。

本自体の話。
『星の王子さま』の著作権が切れて、2005年頃に、新訳ラッシュがあった。
その刊行後、大久保ゆうさんが、青空文庫でフリーで翻訳をされた。
それは、どこかのPodcastで朗読されたようだ。
テキストの制約について、あとがきで書かれておられた。

内容は、『星の王子さま』というメルヘンな王子さまの旅の話では、なかったのだなあ、とわかった。
サン=テグジュペリが消息を絶ったのち、とても不思議な話になっていると思う。
この、「王子くん」の話を聞く主人公が、肝なのだ。

王子くんの星の「花」は、女性?それとも、こころ・感情?

「ぼくは、花が1りん、ぼくのものだったら、花をつんでもっていく。でも、きみ、星はつめないよね!」(162/全頁数395)


上記引用部分は、所有についての問題を思い起こさせる。
賃貸暮らし、カーシェアなど、所有しない生き方もはやりだが、人間の所有欲についても考えさせられる。
借り暮らしのアリエッティ?
人間の魂はみな、肉体を借りて生きている・・・
そういえば、王子くんは、最後にそんなことも言っていたなあ。

「ひとは、ひまがぜんぜんないから、ものうりのところで、できあがったものだけをかうんだ。でも、友だちをうるやつなんて、どこにもいないから、ひとには、友だちってものがちっともいない。友だちがほしいなら、おいらをなつけてくれ!」(239/395)

キツネの「なつけ」の話。印象深い。
posted by B&M at 07:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする