2010年05月31日

0615『ママはテンパリスト』

★★★★★5

ママはテンパリスト 1

ママはテンパリスト 1

  • 作者: 東村 アキコ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/10/17
  • メディア: コミック




あの・・・あの おには
やさしいだよ・・・(2巻p99)

すいません育児ナメてました!
母になった漫画家の、育児エッセイ漫画。
頂き物。
「別冊コーラス」2006年Summer号の「おんな風林火山」からはじまったらしい。(1巻収録。)
1カ月1TP(テンパリスト)ずつのエッセイ。連載開始から4年。ごっちゃんも4歳になっている。
福満しげゆき氏のエッセイ漫画や、お坊ちゃまくん、クレヨンしんちゃんなんかも感じさせながら、新しい。

東村さんは、「育児とはこうあるべし」というようなことは書きたくない、とあとがきで書いていた。
育児方法にも賛否両論、多事争論あり、これだ、というのは言いにくいという。
なるほど、母乳一つとってもいろいろ難しい。
なので、本人が楽しんでいるところを描かれている。

現代の子育て風景をかいま見るもよし。
育児のあれこれを予習するもよし。
我が子との生活で共感するもよし。
いろんな読み方があると思う。
1冊に2個所くらいは大笑いするところがある。

他人の育児を読みながら、いろいろと客観視できるのもよい。
思えば、動物に産まれて、「人間」「社会人(市民?)」になっていくことのすごさ。
自分がいつの間にかそうなっていたことに気づき、子育てをしながら、追体験する人間の成長。

僕もまだ腑に落ちていないところが多いけれど、人間の遺伝子を残していくことと共に、社会の「文化遺伝子」とでもいうべきもの(ミーム?)も、教育によって伝達していかなければ、この、人間が外部に作り出した「社会」というものが存続していかない。
子育てを知るにあたって、あらためて、「教育」ということを違う角度で見始めた思いだ。

呼吸をすること、お乳を吸うこと、排泄すること、笑うこと。
日々、いろんなことを学習していく。
いじめること、へつらうこと、畏怖すること、奢ること。
いろんなことを学習していく。
鬼やお化けを怖がりながら、締め切りに追われながら、仕事場にもまれながら、お尻をかまれながら、ママとごっちゃんは成長していくのでした。
子どもに「恐怖心」を与えながらとか、シールという「ご褒美」で釣る方法とか、お尻を噛む「体罰」とか、教育につながるそれも考えさせられる。

でも、実親がやることは、たいてい、OKなんだよね。
この頃、ニュースで幼児のことが気になる。
2歳の子供にタバコを与えてニコチン中毒とか。
他人の子どもの足を折るとか。
内縁の夫。幼児虐待。
育児ノイローゼ。社会的孤立。

東村親子みたいに、にぎやかに、楽しく、自然体にいきたいものだ。

「さー ごっちゃん
おっぱい飲むかー?(ククク)」
「おっぱ・・・いッ!!!!(ビクウッッッ)」
「お・・・おっぱい・・・
いや〜ぁよォ〜!!!」(1巻P26,27)




ママはテンパリスト 2

ママはテンパリスト 2

  • 作者: 東村 アキコ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2009/06/19
  • メディア: コミック




ママはテンパリスト 3

ママはテンパリスト 3

  • 作者: 東村 アキコ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/03/19
  • メディア: コミック



posted by B&M at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月16日

0614『トンスラ』

★★2

トンスラ 1 (Bunch Comics Extra)

トンスラ 1 (Bunch Comics Extra)

  • 作者: しりあがり 寿
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/11/08
  • メディア: コミック



深夜ドラマ『トンスラ』の漫画化。
トンスラハゲのおやじ編集者のお笑い日常。
ゆるゆるハイテンションというか、ドラマとは違ったしりあがり寿氏の独特の味が楽しい。

「お1人ですか?」
「今は1人だけど いつか愛する人と2人になって、1人じゃなくなると思います。」
「こちらでございます。」
「子どもは3人がいいな。」
(なんだかめんどくさい客だな)(p44)


ドラマの原作本はこれ。

トンスラ (幻冬舎文庫)

トンスラ (幻冬舎文庫)

  • 作者: 都築 浩
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2008/09
  • メディア: 文庫


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2010年05月11日

0613『人並みといふこと』

★★★★★5

人並みといふこと

人並みといふこと

  • 作者: しりあがり 寿
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2008/07/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



漫画家しりあがり寿さんのエッセイ集である。
エッセイ集であるのだから、全体のまとまりは、著者という「ヒト」という柱である。
でもこのエッセイ集は、それに加えて大和書房HP連載「人並みといふこと」という題名にもなっているテーマがあるため、ところがどうして、なかなかに一本柱が立つのである。

押井守氏の言う「凡人」とか(『凡人として生きるということ』)、阿部謹也『「世間」とは何か』、村上龍氏のいう世間(はない)とか、
「ふつー」
それについて掘り下げていく。

それは、世間という時に自分で考えることをせず大衆におもねることであったり、簡単にはシアワセをつかめなくなった個人主義の時代の憂いであったり、なくなることで他人との「共感」が難しくなった共有していた空気であったりする。

巻末には、人並みとは言えない夫婦の『他所(よそ)へ・・・』という短い漫画が暗示的に収録されています。

でも今は違う、人並みに落ち着こうと思っても世界の変化はそれを許さない。(…)「人並み」が高嶺の花になっちゃったみたいだ。
(…)
 一生勤めようと思った会社がつぶれ、苦労して習得した技術がたちまち時代おくれになり、時代が変われば自らが得た人生訓を子に継ぐこともできない。モノゴトは流行っては廃れ、盛者必衰はひっきりなし、善悪や好悪や敵味方やあらゆる価値観までもがルーレットの目の上に乗せられ、「ここに賭けて」と悲鳴を上げている。
 そのうえ、いつだって賭けなかった方の目、失われた別の可能性の亡霊がボクたちを苛立たせる。「もっといい選択はなかったのか?」「あっちのほうがシアワセそうだぜ」「自分の人生は無限の可能性のたったひとつに過ぎない」。(p225,226「おわりに」)
posted by B&M at 07:10| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0612『博士の愛した数式』

★★2

博士の愛した数式

博士の愛した数式

  • 作者: 小川 洋子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/08/28
  • メディア: 単行本



小川洋子氏のベストセラー。
映画化もされた。
数学と文学の融合。
理系好きにも、そして文系にもわかりやすいと評判だったようだ。

私とルートと博士のおだやかな日常。
でもそれは永遠に続くものではなく・・・。
常に文章は冷静で、落ち着いて読めます。

「1−1=0
 美しいと思わないかい?」
 博士はこちらを振り向いた。一段と大きな雷鳴が轟き、地響きがした。母屋の明かりが点滅し、一瞬何も見えなくなった。私は彼の背広の袖口を握りしめた。(p197)


文庫版が出てます:

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

  • 作者: 小川 洋子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/11/26
  • メディア: 文庫



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2010年05月09日

0611『「うつ」な人ほど強くなれる』

★★★★★5

「うつ」な人ほど強くなれる―『うつ』になりやすい性格こそ「成功する条件」 (アスカビジネス)

「うつ」な人ほど強くなれる―『うつ』になりやすい性格こそ「成功する条件」 (アスカビジネス)

  • 作者: 野口 敬
  • 出版社/メーカー: アスカエフプロダクツ
  • 発売日: 2005/10
  • メディア: 単行本



カテゴリーは、うつ病を社会的な現象と考えて、「社会(・貧困・格差)」の範疇(はんちゅう)とした。

著者自身うつ病を経験していらっしゃり、その言葉は重い。
重いのだが、言葉は平易で、決して学問的に難しくなったり、かといってドライに即物的になったりもしない。

「うつ」についての社会的な認知を求めると同時に、誰しも陥る「うつ」という落とし穴についての予備知識を広めようとする態度、そして、自身も経験したうつという心の地震について、対処法、身近な人がうつになったら、必ず治るという助言、がある。

「うつ」な人ほど、優しくなれる、強くなれる、「うつ」になりやすい性格こそ、「成功する条件」なのだという著者の言葉に、励まされる。

野島伸司ドラマ、『聖者の行進』だったろうか?
「強くなくていいんです。弱くていいんです。弱いからこそ、弱い立場の人間の心まで分かるんです。」というようなことを、故いかりや長介さんが言っていたと記憶している。(あれ、このドラマ、その言葉を言われていたのは酒井法子氏だったのか・・・。なんと因果な。)

NHKドラマにもなった、「ツレがうつになりまして」など社会的な受容が見られつつあるが、著者のブログなどを辿ると、「ブログ療法」の困難さなどが伺え、やはり悲しいかな世間は生きづらい。

それでも、日々やさしく、寛容でありたいものだと思い直した。

 そんな孤独をくぐると、人間関係の中での孤独が子供の遊びのように見えるほどです。
 どんな仕事でも、皆でわいわいがやがやと明るく楽しく取り組めて、ハッピーエンドにはならないものです。必ずどこかで試練が見舞うものでしょう。誰かが大きなミスを犯して、プロジェクトがつぶれることもあるでしょう。耐え切れなくなったメンバーが抜け落ちることもあるでしょう。(p71)
posted by B&M at 07:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会(・貧困・格差) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月08日

0610『バカにならない読書術』

★★2

バカにならない読書術 (朝日新書 72)

バカにならない読書術 (朝日新書 72)

  • 作者: 養老 孟司
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2007/10/12
  • メディア: 新書




前半は養老氏の読書論(術ではないかな)。
知・徳・体の、体=出力です(p14)というところ、なるほどな、と思った。

 ところが、いまの若い人は、「わかってくれている」「わかってくれる」という世界から育ってきた。「わかってくれる」という世界から育ってくると、他人を説得するとか、自分をわかってもらおうという努力をしないはずです。(p70)


氷解した父の死、というエピソードに感じ入った。

後半は池田氏、吉岡氏とのジャンル別読書鼎談。
写真集を語りあったりもしていて面白いが、本としてのまとまりには欠ける。

養老 (…)女性研究者が入ってくるまで、ニホンザルの集団が母系社会だということに気がついていなかった。(…)
吉岡 それを「バカの壁」って呼ぶんじゃないの(笑)(p133)

0609『1分で大切なことを伝える技術』

★★★★4

1分で大切なことを伝える技術 (PHP新書)

1分で大切なことを伝える技術 (PHP新書)

  • 作者: 齋藤 孝
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2009/01/16
  • メディア: 新書




話す技術、とか、コミュニケーションに関する力をつけたいと思って、さもしい、寂しい気持ちから読んだ本。
まあ、他にも、英語を教えているのでその参考にとか、教壇での話の参考にとか、自分の中でニーズは高かった。

また、斎藤孝氏のわかりやすく、歯切れの良い文章、そして全体として構造的な文章にぐいぐい引っ張り込まれながら読んだ。

 昭和を代表する教育者の斎藤喜博によれば、ミスにはその人の特徴が出るという。だから彼の教室では、「誰々式間違い」という言い方をして、クラス全員が同様のミスをしないきっかけにしていた。(p123)

第5章のケース別の1分話も、これがなかなか面白い。
上に引用したミスの話、父としての斎藤氏があみだした「注意メモ」。
以前、「教師は怖いよりしつこいほうがいい」というようなことを聞いたことがある。
近ごろドラマ『薔薇のない花屋』を見返して、「暴力で子供が言うことを聞くなんて思ったらそれは大きな間違いです。」というようなくだりがあった。大声や説教で子供に言うことを聞かすというのは、あまりよい方法とは思えない。
その点、注意メモなどで、何度も繰り返し巻き返し定着させるのは、いいなあ。

「正」と「反」を止揚させて「合」に導く。それによって、話は「立体化」するだろう。(p102)


最後の、「賞賛文化」、You can do it!もいい。
ただ、打たれ弱い社会になっているのか、と思うと、後先不安になったりもする。

・・・かつての私なら、いい漬け物をつくる感覚で傷口に塩を塗るようなティーチングもしてきたが、今やそういうやり方は通用しない。千尋の谷に落としたが最後、二度と登ってこない者が増えている。(p185)
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2010年05月04日

0608『最強のビジネス文章&書類術』

★★2

最強のビジネス文章&書類術

最強のビジネス文章&書類術

  • 作者: 日経ビジネスアソシエ
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 大型本



日経ビジネス・アソシエ特別編集版。
思考や行動を助けるビジネス文書のテンプレート手本に。
ただカタログとして使えるというだけの本なら星1つにしようと思ったのだが、最後の日記のところが面白かったので星2つ。

 生きているということは、限られた時間とつき合っていること。時間は誰にも平等で、過ぎた時間は取り戻せないということを忘れたくない。「今日は朝からずっと雨だった」と書くだけでも、かけがえのない1日があったことが分かる。(p078安西水丸氏)
posted by B&M at 15:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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