2010年03月29日

0573『父のぬくもり』

★★★3

父のぬくもり

父のぬくもり

  • 作者: 小渕 暁子
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2001/04
  • メディア: 単行本



元総理大臣の娘さんが書いた、父についてのいくつかの文章。
「。」がなく、詩のように、いくつかの短い文章でつづられる。
けれど、あたたかい。
生身の人間が、日本という小さいが、巨大な国を背負って立つことの難しさを物語っている。

平成おじさん、郵政族、沖縄サミット・・・
あの頃学生だったが、そのくらいのことしか知らない。
その後、日本では、冷静沈着で強いリーダーシップを持った総理や、精神的に弱い総理や、いろいろいて、政権交代した総理になった。

けれど、生身の人間というか、あたたかそうな、人柄のよい政治家だったのだろうなあ、と、娘さんの書いた本を読みながら、思った。

冷めたピザと言われれば、
─マスコミのみなさんへ、温かいピザを出してあげなさい
と言うくらいだから、
たとえどんな事を言われても、父は平気のようだった。

しかし、気にしていないと思っていたのは大きな間違いだった
公邸の父の机の横には山のように週刊誌が積み上げられていた

もしかしたら、父のこころの中にも、
山のようなストレスが積み上げられていたのかもしれない(p61)
posted by B&M at 07:40| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0572『ほっとする禅語70』

★★★3

ほっとする禅語70

ほっとする禅語70

  • 作者: 石飛 博光
  • 出版社/メーカー: 二玄社
  • 発売日: 2003/03
  • メディア: 単行本



禅の言葉と、書家・石飛博光さんの文字。
タイトルの通り、ほっとするし、考えさせられるものばかりです。

 人を愛したとたんに執着がはじまります。(…)亡夫は僧から「妻のために愛心を断て」と諭されてその通りにし、極楽浄土に行ったとおう話が伝えられます。
 愛する人のために「愛心」を捨てる。執着しないとはそんな境地も生むのです。(p53)
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0571『文学の力×教材の力 理論編』

★★★★4

文学の力×教材の力 理論編

文学の力×教材の力 理論編

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 教育出版
  • 発売日: 2001/06
  • メディア: 単行本



大学時代のテキスト。
知的な人間になりたい、と、思ってきたように思う。
今の自分は、どうだろうか?
そうなれただろうか?

大学時代のことを思い出すと、その「有り余る思考する時間」が愛おしくて、泣きたくなる。
またあの頃のように、自由に時間を使いたい、と思う。
あの頃は、自由に書き、小説も完成させたりした。
今よりももっと孤独で、不安だった。
先が見えず、もがき苦しんでいた。
今のほうがずっと幸せだけど、ふと、あの頃に戻りたいと思ったりするから、不思議である。

この本は、テキストだった。
講義をする人自身の著書を売る、というのは常套手段だし、別にかまわないと思うし、これほど面白ければ別によいと思う。
講演会で、自分の著書を紹介しているのと同じみたいなもんだ。
英文科だったが、無理して国文科のこの講義をとったものだ。

哲学とか、いろいろなところを通って、要は、小説なんかを読んだときに、そのインクの染みを見て、立ち上がるものが個々人それぞれ千差万別にあるから、それをすり合わせるようにしか、読みの「正解」はないのではないか、みたいな、そんな話。

今は、松岡正剛氏の「理解のコミュニティ」みたいな話も知ったから、だいぶんこれを学んだ頃からは考え方も違ってきていると思う。
でも、こういうのを礎(いしずえ)にして育ってきたんだな、と、ほんと、切なくなりながら思い出す。あの頃のいろんな思い出といっしょに。

<本文>が読み手の内部に生成され、そこに<原文>の影が働くところにこそ、筆者の期待する文学の力を見たい。(p54)
posted by B&M at 02:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 哲学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0570『退屈知らずの酒読本』

★1

退屈知らずの酒読本―読むほどに深~い味わいのオトナの雑学 (青春BEST文庫)

退屈知らずの酒読本―読むほどに深~い味わいのオトナの雑学 (青春BEST文庫)

  • 作者: 話題の達人倶楽部
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 1994/08
  • メディア: 文庫



真偽のほどはいかほどか分からないが、酒に関する雑学本。
酒、焼酎、ウォッカ、リキュール、お酒の話がいろいろ。
トイレでぺらぺらめくったり、雑誌的に読める本である。
 この馬引き、迎えに行った先で酒を振る舞われ、すっかり気分がよくなってしまった。それで帰り道中、馬の引き方を誤って馬も主人も自分も大けがをしてしまったというのだ。運転手に酒を飲ませるものではないと、兼好法師、たいそう嘆いているのである。(p211 鎌倉時代にもあった飲酒運転)
posted by B&M at 02:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月27日

0569『新・片づけ術「断捨離」』

★★★★4

新・片づけ術「断捨離」

新・片づけ術「断捨離」

  • 作者: やました ひでこ
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2009/12/17
  • メディア: 単行本




一度読んだことがあるような内容の本は、その下地ができ上がっているので、情報を更新していくようにして読むので、読みやすい。
この本も、0025『「捨てる!」技術』とか、0443『「挫折しない整理」の極意』の本の流れを汲んでいる。
『捨てる!』では、モノを処分する暮らしを、
『挫折しない』では、広告や欲求の側面から、モノの流れを意識した整理について書かれていたが、
この『断捨離』では、ヨガだか東洋思想だかの「断・捨・離」という言葉を用いて、ものを断り、捨て、離れると説明したのが新しい。

大量にモノを自分に与えない(…)子供というのは、なんでもかんでも与えると、主体性のない、選択能力の低い人に育つそうです。(…)「三つまでは持っていい」「三つの中から選ぼう」「三つに分けよう」(…)選ぶ力をトレーニングすると、生活や仕事などあらゆる局面で「自分は何がしたいのか」という主体性を強化することにもなるのではないでしょうか。(p124-125)


そして、この思想を実行する人のことを、「ダンシャリアン」と呼んだりして、うまいなあと思う。

 断捨離では、どんなモノを自分に与えているか、イヤというほど客観視させられる瞬間があります。
 その過程は、自分が今、どこに居るのかがわかる地図を手に入れた状態でもあります。(p173)


「そこにあったのは「愛着」ではなく「執着」だったのです(p35)」なんて、前述の本で書かれていたような言葉だが、あらためてドキッとする。
僕が、シンプル・ライフとはほど遠い、本は山積み、雑誌はとっておく、ネタメモはどっさり、みたいな生活だからだろう。

実はこの「見えない世界」の後に、「もっと見えない世界」というのがあることにも気がついていきます。神の領域、サムシング・グレート・・・表現はいろいろありますが、要するに運とかツキとかスピリチュアルな次元です。(p29)

ゲーテが「人間の最大の罪は、不機嫌である」と言ったところから、じゃあ、ご機嫌に生きよう、とこの本は説く。
「断捨離」をして、最後には、こういう域を迎えるらしい・・・。
オカルトっぽいが、そういう世界も確かにあるんだろう。
セレンディピティとかを得やすい体質になる、みたいな。

さあ、春だ。
断捨離、はじめようかな。

0568『めざせ!ポジティブADHD』

★★★★★5

めざせ!ポジティブADHD

めざせ!ポジティブADHD

  • 作者: あーさ
  • 出版社/メーカー: 書肆侃侃房
  • 発売日: 2007/06/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




ADHDという症状を、ポジティブに、明るく受け止めようという漫画。
作画のあーささん自身、ADHDの障害を乗り越えてこられた方だ。
専門家の人のサポートもありつつ、構成も見事。
ノリノリの絵も楽しい。
楽しく学べた一冊でした。

「嫌なこと・・・は、たくさんあったような気もするが、なんかもう忘れちゃったな」
「もー、あーさもやっぱりADHDだなー」(p233)
posted by B&M at 07:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月13日

この読書ブログの評価の分布

1000冊を目指して読書記録をつけてきたこのブログ。
折り返しを過ぎて、600冊が見えてきた。

1.記事タイトルは「冊数+本の題名」
2.5段階評価(5つ星)
3.Amazonリンクで本の画像
4.気になった本文を引用
5.簡単にコメント。書きたかったらいくらでも。
ルールはこんな感じでやってきた。

管理者ページでは、記事の一覧が見れる。
ふと、自分の評価の分布はどんな風になっているのか気になったので、検索をかけてみた。(記事には[星マーク+数字]という検索記号を入れているので、それで検索をかけると、評価別に検索できる。ブログ右上、検索窓の下に、5つ星で検索したものへのリンクを置いています。今後、記録のような形でブログをはじめられる方にはオススメの方法です。)

記事を数えてみると、以下のようになっていた。

5つ星・・・ 76冊
4つ星・・・174冊
3つ星・・・153冊
2つ星・・・113冊
1つ星・・・ 51冊

けっこう甘口だなあ。
結果がピラミッド風になるわけではなく、
「普通よりちょっと上かな、でも5つ星にはいかない」
みたいな本を4つ星で評価しているのがわかる。
1つ星が一番少ない。まあ、2つ星くらいあげちゃえ、みたいなところがあるのだろう。

1つ星の本は、自分の本棚のダイエットにもなってよろしい。
5つ星の本と、今後何冊出会えるか。
楽しみである。
posted by B&M at 07:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 管理者日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月07日

0567『多読術』

★★★★★5

多読術 (ちくまプリマー新書)

多読術 (ちくまプリマー新書)

  • 作者: 松岡 正剛
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2009/04/08
  • メディア: 新書



ウェブ松岡正剛の千夜千冊から、それを書籍化した 松岡正剛千夜千冊(8冊セット)10万円!、編集術などで知られる松岡正剛氏の読書術。
ウェブ千夜千冊を見れば分かるけれど、生半可ではない読書量。
しかも、哲学書とか科学書とか、縦横無尽。
まさに知の鉄人。

実際の本屋さんで本棚をプロデュースするなどの活躍も知られている。

その松岡氏の、多読術!

 つまり読書というのは、書いてあることと自分が感じることとが「まざる」ということなんです。これは分離できません。(p76)


読書とは何か、というようなことを、根本から考え直すきっかけになりました。
凄い本です。
0558『1000冊読む!読書術』も良かったけど、こちらはもっと重厚。

読書についてのあれやこれやを述べているうちに、読書モデルの話になっていくが、これがまた目からウロコだった。
送り手と受け手が通信回路を挟んで両端にいて、送り手がメッセージをエンコードして、受け手がこれをデコードするというようになっていました。(p97)

上記の「シャノン=ウィーバー型モデル」から、「理解のコミュニティ」がある、というような話へ。
僕にはまだまだ難しかったが、なんとなく、その従来の考え方では限界があるのだな、と思った。

「あとがき」にあった、「本は薬にもなるが毒にもなるし、毒にも薬にもならないことも少なくない」というような話も興味深く読んだ。
ちょうど、新聞かなんかで『ヒトラーの秘密図書館』というような本があることを知ったところだった。

参考:『ヒトラーの秘密図書館 ティモシー・ライバック著赤根洋子訳(文芸春秋)』を読む - Ddogのプログレッシブな日々 - Yahoo!ブログ

2010年03月06日

2月の読書メーター

2月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:975ページ

夢であいましょう (朝日ノベルズ)夢であいましょう (朝日ノベルズ)
読みやすすぎることに感嘆!
読了日:02月28日 著者:赤川 次郎
親子で楽しむこども短歌教室親子で楽しむこども短歌教室
読了日:02月28日 著者:米川 千嘉子
ダメな女ダメな女
龍氏のエッセイはいつも刺激的で楽しい。
読了日:02月27日 著者:村上 龍
THE 21 ( ざ・にじゅういち ) 2010年 03月号 [雑誌]THE 21 ( ざ・にじゅういち ) 2010年 03月号 [雑誌]
読了日:02月21日 著者:
新 正体不明新 正体不明
写真はもちろん、途中のエッセイでの、コラージュ→トマソン→路上観察という流れも面白かった。
読了日:02月13日 著者:赤瀬川 原平
ヒメアノ〜ル(5) (ヤンマガKCスペシャル)ヒメアノ〜ル(5) (ヤンマガKCスペシャル)
すごい・・・。狂気が、歩いている。
読了日:02月11日 著者:古谷 実
多読術 (ちくまプリマー新書)多読術 (ちくまプリマー新書)
読了日:02月09日 著者:松岡 正剛

読書メーター

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posted by B&M at 07:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 管理者日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0566『深夜食堂』

★★★★4

深夜食堂 1 (ビッグコミックススペシャル)

深夜食堂 1 (ビッグコミックススペシャル)

  • 作者: 安倍 夜郎
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/12
  • メディア: コミック



営業時間は夜12時から朝7頃まで。
人は「深夜食堂」って言ってるよ。
客が来るかって?
それがけっこう来るんだよ。(p5)

深夜食堂につどう、人間模様。
ステレオタイプ?
よせやい、こんだけ面白いんだよ?

posted by B&M at 07:20| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0565『アンダーカレント』

★★★★★5

アンダーカレント  アフタヌーンKCDX

アンダーカレント アフタヌーンKCDX

  • 作者: 豊田 徹也
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/11/22
  • メディア: コミック



「それで互いにわかりあえるとは限らんが、苦しみなんてのは打ちに秘めとくと身を腐らせるだけじゃぞ!(p292)」

BIG WING WORKS+さんとこで紹介されていた『珈琲時間』を読んで、結構好きになっていた豊田徹也さん(25peso読書ノート: 0557『珈琲時間』)の、4年前の作品。
TSUTAYAのコミックレンタルにて。

映像的、とAmazonとか帯とかでも言われているけれど、構図とか、描写とかが、なかなかすごい。
そこらへんのところを、自分で揶揄できるところもすごい。
「山崎さんてホント芝居がかったこと好きだよね」
「えっ!?まあそのだっはっはっはっ」(p206)


しかし、作品通じて、登場人物の「目が死んでいる」感じはなかなかすごい。
通底する雰囲気というか、作者さんのなにがしかがにじみ出ているんだろうな。
「明るい雰囲気(狂言回し的な)」のサブじいとか、山崎さんなんかも、みんなサングラスで、目を隠している・・・。

タイトルは、村上春樹氏の「暗きょ」に通じるものがある・・・。

undercurrent
1.下層の水流、底流。
2.(表面の思想や感情と矛盾する)暗流(p1)
posted by B&M at 07:16| Comment(2) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする