2010年02月28日

0564『親子で楽しむこども短歌教室』

★★★★4

親子で楽しむこども短歌教室

親子で楽しむこども短歌教室

  • 作者: 米川 千嘉子
  • 出版社/メーカー: 三省堂
  • 発売日: 2009/12
  • メディア: 単行本



スリッパで 歩く音だけ おなじなり
 家族四人で なにをひきずる
            駒田晶子(p28)

短歌について、わかりやすく書かれた入門書。
確かに親子で楽しめそうだった。
「一つの表現の形式がこれほど長く、これほど多くの人々に愛されてきたのは、世界でもおそらく例のないことです。(p2)」というほど、短歌(和歌)の歴史は長い。
現代でも充分楽しめる。

139ぺージからの、「短歌を作ってみよう」には、C子がなんとか作った歌と、名作とが比べられ、ここが弱いとか、こっちのほうがいいとか言われながら、ステップアップしていく。
「美とは何か」をまた考えた。
まあ、作られた歌は「どれも美しい」けれど、やっぱり、「こっちのほうが(一般的に考えると)より良いよね」みたいな客観性はあるんだろう。

くれないの 二尺伸びたる 薔薇の芽の
 針やわらかに 春雨のふる
            正岡子規(p90)

やっぱりすごいよなー、正岡子規は。
昔習った短歌を思い出したりして。
戻らぬ若きころを思い出したりして。
もう、学生として学校で座ることはないんだなー。
はかないなー。せつないなー。

巻末には、「五十音引用歌索引」があり、現代っ子に紹介されている古典はなにかな〜とか、国語の先生なんかが見ると楽しいのではないだろうか。
百人一首も載っています。

<反省の 色が見えない><反省の
 色はなにいろ>教師と少年
            今井恵子(p22)
posted by B&M at 06:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 詩・短歌・俳句 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0563『夢であいましょう』

★★★3

夢であいましょう (朝日ノベルズ)

夢であいましょう (朝日ノベルズ)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2010/01/20
  • メディア: 新書



赤川次郎氏の新作?
朝起きたら28歳のOLが小学6年生の別人になっていて・・・という話。
赤川次郎氏の文章は水のように流れて、だからこそ時々反復、重複を恐れず状況を語り直したりしながら、でもとんとんと話は進んでいく。
特に教訓とか、新しい発見というようなものはないが、テレビドラマみたいに眺めていられるような、そんな読みやすすぎるところがすごいところだと思う。
それなりに楽しめた。
主人公女性が同年代、舞台が学校というところもポイントか。
出てくる家庭がいろいろひどい(笑)

 映美は、そんなお母さんのことを見て、何だかがっかりしていた……。(p81)
posted by B&M at 06:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月27日

0562『ダメな女』

★★★★4

ダメな女

ダメな女

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2001/08
  • メディア: 単行本



 希望というのは概念ではなく、未来に対する具体的な欲望の一種なのではないかと思う。(p137)

 さらに言うと、その不安こそが生きていることの証しなのかも知れない。あなたは実はこういう人間なのだからこういう風に性格を変えこういう風に生活を変えなければいけない、誰かにそう言ってもらい、それを実行するのは楽だ。オウム真理教はそのことを利用した。(p66)

僕は村上龍氏のエッセイに対しては評価が高目だ。
小説の方はそこまでの読者ではないが、エッセイのほうは大好きだ。
龍氏のエッセイは、
1.思っていることを的確に言語化してくれる
2.言っていることがハッとさせられるような目新しさを持っている
から魅力的なんじゃないかと思う。
サイト内「村上龍」検索

Amazonのレビューなどを眺めてみても、「村上龍氏経験者向け」なんて書かれていたりする、このエッセイ。
刺激的で、楽しかった。
タイトルの通り、「ダメな女」について考察していくが、それを通じて、時代や生き方について考察していく。
もちろん「ダメな女」とは、その対極にある「ダメな男」をも導くわけで、男である僕にも他人事ではない。

ジョージ・ソロスのような超大金持ちの天才投資家でも、悪夢は見る。悪夢から逃げることのできる人は、この世の中にはいない。(p61)


この本に収められたのは、「I'm」と「CLASSY」という雑誌に連載されていたエッセイだ。
途中で掲載紙が変わっている。

文章はブログ的で、ネット的だと思った。
文章がネット的、とは、刺激的で、ぱっと目をひいて、かつ簡潔な、というような意味だ。
量の中に「ハッ!」とすることがある、というところもそうだ。
自分で堰き止めておいて、それを重々に取捨選択したりということではなく、垂れ流しというか、まあだからこそ同時代的になれるというか。
連載も月1だったようで、一気に読むよりは、毎日トイレの中で1編か2編ずつ読むというような、そういう読み方が似合う本だと思う。

 精神的な豊かさとはいったい何だろうか。生きていることの喜びを味わうこと、かもしれない。
 生きていることの喜びはどうやったら手に入るのだろうか。そのためのマニュアルのようなものがあるのだろうか。そもそも同じ対象で、誰もが生きていることの喜びを得ることができるのだろうか。(p176-177)
という部分には、この頃考えていたこと(死んでるように生きたくない)と同じ問いかけがあった。

 わたしは四十八歳だから、すでに老人の入り口付近にさしかかっている。もうすぐ着実に老人の仲間入りを果たすことになるだろう。老人は単に若さとか記憶力を失うだけではない。(…)もう一度書くのはごめんだ。そういった作品を書くのは大変だった。(…)老人は何かを失うのではなく、何を知るのだ。(…)他人を幸福にするよりも他人に対して無力であることのほうが圧倒的に多いということも知る。(p180)


途中で、ダメな女の列挙をしたくなくなった、「そういうことは社会にある程度の余裕がある場合に有効だ。そういうダメな女を列挙し、こき下ろしたあとで、「それでも地球は回っている」みたいな感じで、屈折した安心感が生まれる(p123)」と龍氏は言う。
最終的に、「ダメな女」とは、「自分のことを”ダメなところがまったくない女だ”と確信している女だ(p217)」というような結論になる。
つまり、こういう本を読んだりしながら自問自答をしない女性だということだろう。
そんな傲慢で自己中心的な人は、めったにいないような気がするけれど。
posted by B&M at 17:16| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0561『新 正体不明』

★★★★4

新 正体不明

新 正体不明

  • 作者: 赤瀬川 原平
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2004/10
  • メディア: 単行本




無言劇
 向う側にも回ってみたが、看板ではなかった。ただこういう物だった。京都。 03・10(p7)

写真と、上記のようなコメントがつく、正体不明の物件を撮り集めた写真集。
日本の町並みの片隅に、こんな魅力的な「正体不明」な風景が潜んでいるかと思うと、わくわくしてくる。
近くの図書館にて借りてきた。

赤瀬川氏は 画家であり、路上観察学者(?)であり、芥川賞作家でもある。(ペンネーム尾辻克彦。)

間にはさまれるエッセイも楽しい。
1冊10円くらいのグラビア雑誌からの切り抜きで作ったコラージュ時代。(以前25pesoブログのほうにも書いたが、コラージュという、既存のものを切り貼りして作るという芸術作法は興味深い。そもそも既存の言語を通じてしかこうして文章創作もできない我々だが、創作とは?オリジナルとは?と考えはじめると頭が痛くなる。映画『アバター』を中身のない映画というのは簡単だが、あの映画はそうそうないくらいのエンターテインメントだと思う。技術やなんやの切り貼りなのかもしれないが、あれはあれでひとつの作品世界だし、『アバター』を起点とした、図鑑やゲームや3D技術やらという新しい世界の広がりを考えれば、映画『アバター』は十二分にオリジナルな創作だとも言える。そういえば斎藤孝氏は、換骨奪胎こそが創作だといった。)
トマソン=路上で見つかる無用の長物に魅せられた一九七二年。
 ハッとした。作家が作らなくても、世の中には知らずに出来てしまった妙な物件がある。そう気がついてから、街を探し歩くのが面白くなった。自分で作るのではなく、見て歩いて見つけるのだから、記録するのにカメラが必要となる。(p38)

そして、路上観察者へ。
巷にある、その魅力ある風景に引かれる気持ちはよくわかる。
 路上観察をひと通りやって、意味のパターンが出揃ってしまったということがある。それでもまだ撮るのが好きでやっていると、意味よりも味に引かれてくるのだ。何となくと言う、その「何となく」のところに分け入ってみたくなるのだ。
 でもそういう写真を仲間に見せても、
「それはただの芸術じゃないの」
 となってしまう。つまり人には面白くもないというわけである。でもそれではあんまりなので、そこにある風情を取り上げて、そういう写真をただ「風情」と呼ぶようになった。(p56)

「それはただの芸術じゃないの」という言葉にはどきっとさせられた。
ん?
なぜどきっとしたのかは知らない。

『正体不明』という、この『新』を出す10年前に、この本の原形はあるらしい。
その間に、イギリスとかベルリンやベトナムや香港やブータンを出したりしたらしい。
他の『正体不明』は図書館にはなかったと思うから、また機会があれば見てみたい。

世界の中心
 許可を得て、原爆ドームの直下に立つ。人間の脊髄のトンネルを、中から見上げるようだった。広島。 02・4 (p11)
posted by B&M at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 写真集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月16日

読書メーター

読書メーター - あなたの読書量をグラフで管理というものをはじめた。
・読んだ本の合計冊数
・読んだ本の合計ページ
・読んだ本の履歴
・カテゴリ本棚(β)
・本ごとにコメント、他のユーザのものも見れる
という、ライフログサービスのひとつ。

読書ログをするときのツールとして、「読書ブログ」と、「読書メーター」を比べてみると、
引用、長い文章の編集、といったものではブログのほうに軍配があがり、
冊数・ページカウント、他の読者との交流、という点ではメーターのほうに軍配があがる。
どちらも一長一短ということである。
ということで、併用することにした。

「みんなの本棚」というサービスなど、読んだ本を一覧化するサービスはいくつかあるが、背表紙だけ並べて、えらいかっこしいのテレビの批評家みたいにしかならない、と思った。
でも、この読書メーターは、新しかった。

読書メーターの1月のまとめができていたので、ここに掲載しておく。
3月になると、前月のまとめは消えてしまうそうだ。
行き場所がないので、ここへ。
時間ができたら、こちらのブログに記事として投稿していく予定。

 ***

1月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:548ページ

おやすみプンプン 6 (ヤングサンデーコミックス)おやすみプンプン 6 (ヤングサンデーコミックス)
読了日:01月11日 著者:浅野 いにお
珈琲時間 (アフタヌーンKC)珈琲時間 (アフタヌーンKC)
読了日:01月11日 著者:豊田 徹也
伊坂幸太郎WORLD&LOVE! (洋泉社MOOK)伊坂幸太郎WORLD&LOVE! (洋泉社MOOK)
読了日:01月12日 著者:
絵本小さいことにくよくよするな! 普及版絵本小さいことにくよくよするな! 普及版
読了日:01月14日 著者:リチャード・カールソン
バガボンド 32 (モーニングKC)バガボンド 32 (モーニングKC)
読了日:01月15日 著者:井上 雄彦,吉川 英治
バクマン。 6 (ジャンプコミックス)バクマン。 6 (ジャンプコミックス)
読了日:01月16日 著者:大場 つぐみ
ピンクペッパー 2 (Feelコミックス)ピンクペッパー 2 (Feelコミックス)
大人の日常をこんなにもやさしく、さりげなく、感動的に描いているのがすごい!
読了日:01月18日 著者:南 Q太
ハモニカ文庫 (まんがタイムコミックス)ハモニカ文庫 (まんがタイムコミックス)
作者さんがご自身のブログで、「買うなら今!買って買って!」と書いていたので、Amazonで購入。相変わらずの良い雰囲気♪地方の本屋には並んでいない。というか、この出版社を知りませんでした。
読了日:01月23日 著者:山川 直人
サンケンロック 9 (ヤングキングコミックス)サンケンロック 9 (ヤングキングコミックス)
韓国人漫画家、国際的なんだか知らないが、それで稚拙さを申し訳しているような。絵はすごいけど。エロで読ませるタイプの、まあたまには読みたくなる。
読了日:01月27日 著者:Boichi
1000冊読む!読書術1000冊読む!読書術
読書本決定版!?本を手にしない読書、ピエール・バイヤールやら、1000冊読んだって人は殺せる!まで、読書についてのもろもろが、スッキリ解消しました。
読了日:01月27日 著者:轡田 隆史

読書メーター

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posted by B&M at 08:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 管理者日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする