2009年10月21日

0549『トパーズの誘惑』

★1

トパーズの誘惑 (角川文庫)

トパーズの誘惑 (角川文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1993/09
  • メディア: 文庫



村上龍氏の小説『トパーズ』の映画化に際して作られた本。
スピリチュアル・メッセージ、脚本、吉本ばなならとの鼎談、いろんな自著からの言葉の引用、といった構成。
小説も映画も見たが、それらがやがて『ラブ&ポップ』に受け継がれていく。
「夜の女」は、現在も存在する。
何が変わったというものでもない。

 映画という物語の中で、主人公が、どのような変化をして、それをどのように表現するか──、それが映画のドラマツルギーだと感違いしていた。
 人間がたった九十分のフィルムの中で変わるわけがない。
 文字通り、死んでも変わらないのである。
 アイは変わらない、・・・人間がいかにして変わらなかったか、を表現しなくてはいけない・・・私は、それを『トパーズ』の中で気付いた。(あとがきにかえて)
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0548『本多静六一日一話』

★1

本多静六一日一話―人生成功のヒント366 (PHPハンドブック)

本多静六一日一話―人生成功のヒント366 (PHPハンドブック)

  • 作者: 本多 静六
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 新書



日めくりのように日々、偉人の言葉に学ぶ本。
「日本公園の父」とされ、退職後25年人生学の勉強をし、いろいろな人の相談相手になったという本多氏の言葉たち。

一杯の天丼を一杯だけ注文して舌鼓を打つところに、本当の味わいがあり、食味の快楽がある。(2月22日 天丼哲学)
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2009年10月20日

0547『作家の値うち』

★★★3

作家の値うち

作家の値うち

  • 作者: 福田 和也
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2000/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



福田和也氏による、古今東西日本小説メッタ斬り!
100点満点で小説を評価している。
正直であるがゆえに、時には辛口であることが誠実である、とするような氏の姿勢と、その勉強量に感服させられる。
途中に挟まれるコラムも面白かった。
巻末には評点別作品一覧がある。

ちなみに0338『ねじまき鳥クロニクル』は96点。「90点以上、世界文学水準」であり、本書内最高得点。
0534『限りなく透明に近いブルー』71点。
0445『鉄道員』51点(作家としての退廃?)。
というような感じ。

『アムリタ』35点 アンドレ・ジード風の、小説内小説という形式を用いているが、まったく効果をあげていない。(p229)
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0546『日々のこと』

★1

日々のこと

日々のこと

  • 作者: 吉本 ばなな
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • 発売日: 1991/12
  • メディア: 単行本



季刊雑誌「フェミナ」に連載されたという、'88冬〜'91春までの、くだらない日々のことを書いたエッセイ集。

 しかし、私のエッセイは下らない。
 プロフェッショナリズムというものがまるで感じられない。
 申し訳ない、買った人。
 しかし、初期のころのエッセイには新人独特の、「自分で自分の役割を無意識のうちに演じている」というおもむきがあって、いじらしい。ばなちゃんがんばってたのね。(p196)

しかし、そうした「くだらない日常」にこそ、本当の幸福はあるのかもしれない。
いかにも意味あり気に書かれたものを意味あり気に読むことも必要なのだろうが(ふ〜むふむふむ!)、ただ日々起こり、忘れられていく他愛のないこと、そういうことを書き留め、そのほとんど忘れられても仕方のないような日々の幸せに本という形を与えて世に送りだし、存在させた功績は大きいかもしれない。

 日常にはほんとうにいろんなことがあるが、しばらくこの本に書いてあるようにギャーギャーさわいでもすぐに忘れてしまう。でも、多分、決して消えてなくなりはしない。(p198)


以下は文庫版。

日々のこと (幻冬舎文庫)

日々のこと (幻冬舎文庫)

  • 作者: 吉本 ばなな
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 1997/08
  • メディア: 文庫



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0545『心のライフライン』

★★★★4

心のライフライン―気づかなかった自分を発見する

心のライフライン―気づかなかった自分を発見する

  • 作者: 河村 茂雄
  • 出版社/メーカー: 誠信書房
  • 発売日: 2000/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 私は二十五歳とき、酒浸りの不摂生とスポーツでの怪我の後遺症で、激しい吐血をし、約一年間入院生活を送りました。最初の半年は、大手術を含めほとんど集中治療室に入院していました。その後、容体が少し安定し、集中治療室の隣の隣の二人部屋の病室で、三か月間を過ごしました。(あとがき)

ライフラインとは、上下の幸福度の軸に、左右の年齢という軸、この二つの軸で描く心の浮き沈みのグラフである。(表紙にその一部が描写されている。)

・リーダーの子につくような友人関係(小中学校時代、幸福感がかなり高い)
・高校受験に失敗(高校時代、幸福感がかなり低い)
・グループに入り、安定(大学時代、幸福感がまあ高い)
・恋愛関係がこじれる(大学卒業直前、幸福感が少し低い)

というような、人生の幸福度の浮き沈みと共に、その時期のイベントを書いていく。

本書は、若者が書いたライフライン図鑑のような趣きで、現代の若者の苦悩や生きにくさを浮き彫りにしようと試みている。
また、そうしてライフラインを書くことで、自分自身と向き合う契機にできるよう指南している。
第4章では、これからのライフラインを創造するために、今の自分とどう向き合うかについて書かれている。

今読み返してみて物足りないのは、本書が20代前半の学生達のライフラインにしか触れていないからだろう。
もちろん、その時期を過ぎた大人たちが、その時期を生きる若者たちを理解するためにも、本書はある。
けれど、今の僕にとっては、やはり今後のライフライン──もっと長いライフライン──に興味がある。
もちろん思春期・青春時代のそれは、その人に深い影響を与えるだろうが、学生時代にのみ視点が集中しているという面で、ちょっと本書は物足りない印象を受けた。
しかし、著者には他にもたくさん著書はあるし、「心のライフラインシリーズ」も刊行されているようなので、続きはそれらの著書の中に求めるとしよう。

中二の頃を思い出すたび、「人って弱いものだよなー」とつくづく思います。自分のなかにある認められない感情を正当化する技術に、いくら長けていても、いつか破綻するものなのです。この出来事は、のちの私に多大な影響を及ぼすことになりました。(p131 第2章 学生たちのライフライン)


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0544『教育学入門』

★★★★4

教育学入門 (子どもと教育)

教育学入門 (子どもと教育)

  • 作者: 藤田 英典
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1997/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



確か大学の講義のテキストだった。
社会・歴史・思想の3つの視点から現代教育の構造と問題点を明らかにし、「教育学」は何をしようとしているのか?について書かれている。

現実に行われている教育実践を研究する「教育学」。
「教育という現象は、いろいろな力が働きあって生じている(p252)」が、それらを総体として、一つの概念でつかんでみる。

特に、田中孝彦氏の「人間教育である生活綴方教育」が印象に強かった。
生活綴方教育とは、「人間の生活と成長にとっての自己表現の意味、とりわけ生活実感を書き言葉で表現することの意味に着目し、子どもが生活をありのままに綴ることを重視する(p181)」教育活動である。

現在、子どもたちが使う計画帳に日々の「日記」を書かせることを実践しているが、その指導に活かせるな、と思った。

 それについて先生は、泉が、年老いた祖父母が泉の母親に気を使いながら生きているということを敏感に感じていたからこそ、あの場面は、「家族の和を深めた機会であったにせよ、泉にとっては、あまりにもなまなましくて、書けなかったのではなかろうか」と考えています。また、もし泉があの場面を綴っていたら、「もうそれは大部分私がおどらせていたことになっていたかもしれない」と言っています。(p237)
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2009年10月19日

0543『掃除当番』

★★★3

掃除当番―武富健治作品集

掃除当番―武富健治作品集

  • 作者: 武富 健治
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: コミック



『鈴木先生』の武富建治氏の、20代から30代にかけての短編集。
絵が劇画チックというのだろうか、リアル志向で、時々気持ち悪いくらいになる。
文学的というか、ちょっと距離感をとりにくい漫画だ。
描かれていることは予定調和的なものではなく、ほんとう、理不尽な終わり方とかもある。嘘がない。

特に引用の『まんぼう』は鋭かった。。。

「例のあだ名ユリ子のことじゃないんだよ」
「知ってたよ・・・」

立ち直るまでに
──3年を要した(p118)
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0542『他人をほめる人、けなす人』

★★★3

他人をほめる人、けなす人

他人をほめる人、けなす人

  • 作者: フランチェスコ アルベローニ
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 1997/10
  • メディア: 単行本



その時期ベストセラーになったビジネス書。
いろんな人をタイプ別に解説。
その中に、機微に富んだ語りが冴える。

夫がデュッセルドルフとかアルジェリアとかの遠いところに出張でもすると、すぐに電話をかけて、子供が具合が悪くなったと告げる。それも、わざと曖昧(あいまい)な話し方をして、心配はないからと言いながら、声の調子や息づかいで自分の不安が夫に伝わるようにする。夫としては手の施しようがないのだが、その心の緊張は不眠を招き、気の毒な妻を一人にしてきたことへの罪悪感ともなる。(p20陰口をたたく人)
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0541『FRUITS BASKET』

★★★3

FRUITS BASKET(フルーツバスケット)―吉本ばなな対談集

FRUITS BASKET(フルーツバスケット)―吉本ばなな対談集

  • 作者: 吉本 ばなな
  • 出版社/メーカー: 福武書店
  • 発売日: 1990/09
  • メディア: −



「吉本」ばななの対談集。
村上龍、内田春菊、高橋源一郎氏などと豪華な顔ぶれ。
まだ20代前半、デビューしたての頃の貴重なインタビュー集。
創作の秘訣などにも触れられる!?

吉本 いろんなタイプの小説を練習していって、そういうものが全部一つにまとまったようなものが書けたら、それが大きい小説なんだろうなというような気はしますけどね。いろんな要素を取り出して、自分なりに味つけする感じで、いま一生懸命練習しているんですけれど、あまり公の場所で練習すると良くないみたいで、いろいろ問題はあるんですよ・・・。(p206 with高橋源一郎)


文庫版が出ているようです。

FRUITS BASKET―対談集 (福武文庫)

FRUITS BASKET―対談集 (福武文庫)

  • 作者: 吉本 ばなな
  • 出版社/メーカー: 福武書店
  • 発売日: 1993/04
  • メディア: 文庫



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2009年10月18日

0540『教師の仕事 365日の法則―見て学ぶイラスト版』

★★★3

教師の仕事 365日の法則―見て学ぶイラスト版

教師の仕事 365日の法則―見て学ぶイラスト版

  • 作者: 向山 洋一
  • 出版社/メーカー: 明治図書出版
  • 発売日: 1998/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



かの向山洋一氏の著書に、前田氏が漫画をつけた。
非常に読みやすい。
ただ、ギャグやオチなどはクサイし、古い。
まあ、教育は不易と流行を見きわめ・・・というから、そのあたりも、読むほうの手腕にかかっている、と思えばいいだろうか。
教師、ふと自分を振り返りたい時に。

 夢を描かなければ、何事も始まらない。夢を描いたら、それを実行していくためのある種の「狂気」が必要だ。
 私は、自分でまともな「常識的な人間」と思っているが、他人から見ると「狂気いっぱい」だそうだ。何事かをやる人間には、ある種の迫力があるのだろう。(p99「12次に策が必要である」)
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0539『作家ってどうよ?』

★1

作家ってどうよ? (角川文庫)

作家ってどうよ? (角川文庫)

  • 作者: 鈴木 光司
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2004/09
  • メディア: 文庫



鈴木光司、花村萬月、馳星周、姫野カオルコに聴く、作家生活。
ニッポン放送のラジオ「ザ・BUNDANバー」というのがあったらしく、それをもとに書籍化したものの文庫版。
鈴木氏や花村氏のところを面白く読んだ。

 どうやったら小説が書き終わるかというと、自分の持っているテーマが表現し終わったと思った時に、すっと小説は終わることができるのです。(p36鈴木光司)
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0538『ハリー・ポッター裏話』

★1

ハリー・ポッター裏話 (作者と話そうシリーズ (Vol.1 J・K・ローリング))

ハリー・ポッター裏話 (作者と話そうシリーズ (Vol.1 J・K・ローリング))

  • 作者: J.K. ローリング
  • 出版社/メーカー: 静山社
  • 発売日: 2001/07/12
  • メディア: 単行本



ハリー・ポッターの著者、J・K・ローリング氏にインタビューする。
世界を虜にした物語の誕生秘話。

 どうしてハリーがそこにいるのか、どうして両親が亡くなったのかを解き明かしていくやり方です。私が創り上げていたのに、、まるで調査でもしているような感じでした。あの列車の旅が終わった時には七巻シリーズになることはもうわかっていました。まだ一冊も出版していない人間にしては、あまりにも傲慢な感じがするでしょうけれど、私にはそういうふうにしか考えられなかったのです。七つの物語をひとつひとつ組み立てて、シリーズを構成するのに五年間かかりました。いつ、何が起こり、誰が登場するかわかっていましたから、書きながら、まるで古き友と再会するような感じがするのです。(p41)

文庫版が出ているようです。

ハリー・ポッター裏話 (静山社文庫)

ハリー・ポッター裏話 (静山社文庫)

  • 作者: J.K.ローリング
  • 出版社/メーカー: 静山社
  • 発売日: 2009/10/06
  • メディア: 文庫



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2009年10月17日

0537『3週間続ければ一生が変わるPart2』

★★★★4

3週間続ければ一生が変わる〈Part2〉きょうからできる最良の実践法―最高の自分に変わる101の英知

3週間続ければ一生が変わる〈Part2〉きょうからできる最良の実践法―最高の自分に変わる101の英知

  • 作者: ロビン シャーマ
  • 出版社/メーカー: 海竜社
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 単行本



0174『3週間続ければ一生が変わる―あなたを変える101の英知』の続編。
マンネリだ、と思うところもあるが、人間そう簡単に変わるものではなし、マンネリの日常、繰り返しの積み重ねが重要なのだ、と思おう。

こういう自己啓発本は世に腐るほど余るほどあり、結局は「誰に自分をたくすか?」ということになるのだろう。
僕は著者ロビン・シャーマをまったく知らない。そのことがよかったのかもしれない。
また、翻訳者のこの素晴らしいタイトルと訳文もよかったのだろう。(翻訳は前作と同じ北澤和彦氏。)
あと、ハードカバーの本がしっかりしていたし、表紙の絵もシュールで気に入ってしまった。
そのあたりが、この本に自分をたくした要因だろうと思う。

全体を見渡し、相対的に「目指すべき良き人生」を模索した。
「ああ、そうそう、わかってるよ。」という具合で。
そういう読み方をすれば、1時間くらいでさっと読める。
あとは、たまに取り出して、細部を読むのだろう。
また繰り返し読み直し、気づく事があるのだろう。
その繰り返しで人生を良くしていけそうな本。

 わが家で実践している手段があります。毎晩、子どもたちが寝る前に、わたしは四つのことばを聞かせます。

1「大人になったら、なんでも好きなことができるようになるよ」
2「けっしてあきらめてはいけない」
3「なにをするにしても、きちんとやるんだ」
4「パパがきみたちをどんなに愛しているかを忘れないでほしい」(p130)

この項は、生徒の保護者のことを考え、また自分の未来を考えるにあたって考えさせられた。
愛情。本気。死なないこと。自由への憧憬(その逆に、現在の教育されるべき境遇や制約について)。

 最高の情熱をそそぎこんだ十項目のリストをつくりましょう。あなたの胸を喜びでときめかせ、人生はいかにすばらしいもにになりうるかを気づかせてくれた、十の行動です。
 つぎに、きたるべき十週間、そういった楽しみのひとつを週間スケジュールに組み込んでください。(p158)
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0536『作家の読書道2』

★★2

作家の読書道2

作家の読書道2

  • 作者: WEB本の雑誌
  • 出版社/メーカー: 本の雑誌社
  • 発売日: 2007/08/23
  • メディア: 単行本



0134『作家の読書道』の続編。
ラインナップは桜庭一樹氏、古川日出男氏、島本理生氏など。

 その人がすでに名作を書いていたら、もう自分は書く必要がない。好きだから同じことを書くっていう人は、何か勘違いしていると思う。好きだからこそ、その人の領域はサンクチュアリとしてとっておいて、自分は自分なりにやりたいです。(p39古川日出男)


考えるに、常に「疑問」を持つ子どもだったかもしれない。
なぜ、と考えるのは、知的活動の端緒だが・・・。
なぜ生きなければならないの?なぜ読まなければならないの?なぜ、と思って、結局は地道に努力するのがいやで、逃げる口実にしているのかもしれない。
でも、そんな根本的な問いって、簡単には答えられないから・・・。
この本を読んでいて、なんでそんなにみんな読めるんだろう、と思った。
なぜ読むのか。読むことは他人に思考を任せることだから読まないでいい、ということを言った本もある。
とか、いろいろ考えて、実際の道を歩こうとしないんだなあ。
そうして気づけば、他の人と歴然とした差が生まれている。

そう思って、このブログを立ち上げて、1000冊くらいは足跡残しながら読んで、達成感得て、
かつ読む習慣を手にして、
かつ自分の頭の中の図書館〔ライブラリー〕を作れたら、なんて思っているのだけれど。

 前は娯楽で読んでいたけれど、今はどうしてこういうふうに書いたのかな、と考えるようになりました。ここの一行は後から直して入れたのかな、とか。自分も後から入れた時は、そこだけ浮いていないか気になるので。(p32桜庭一樹)

0535『戦争のつくりかた』

★★★3

戦争のつくりかた

戦争のつくりかた

  • 作者: りぼん・ぷろじぇくと
  • 出版社/メーカー: マガジンハウス
  • 発売日: 2004/07/27
  • メディア: 単行本



今もどこかの国では戦争をしていて、という言い方。
でも、学校の子供たちも、僕たちも、ぜんぜん実感がない。
それよりも、目の前の切れないステーキのほうが気になる、と中島みゆきは歌い、それをBankBandがまた歌った。
非常にわかりやすい絵本で、版画のように線の太い挿画は不気味ですらある。
そして、物語の最後のたった1ページで、戦慄するのだ。
これは、2004年6月14日に成立した有事関連法をはじめ、すでに施行されている法律や政令、審査中の法案(2004年7月12日現在)、国会答弁の内容などを踏まえて書かれた物語です。(p32)
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0534『限りなく透明に近いブルー』

★★★3

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1)

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1978/12
  • メディア: 文庫



 鳥だよ、リリー、見えるかい?(p146)

言わずと知れた、村上龍のデビュー作&芥川賞受賞作。
高校の頃に読んで、軽くトラウマに。
その切れるような言語感覚とか、センセーショナルな話題は印象に深い。
そのタイトルからして、ずるい。(でももともとは、「クリトリスにバター」だった。)
鳥とはなんだったのだろうか?
現実を鳥というふうにとらえる人について考えた。
時に現実は、そんなふうに冷たいもので、それに抗う力について、この小説は書いているのだろうか。
そして台所から居間にお戻り、テレビの上の煙草を取りに歩いているうちに、言いようのない不安感が僕を取り巻いた。皮膚病の老婆から抱きつかれたような感じがした。(p131)
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0533『作家になる技術』

★★2

作家になる技術 (扶桑社文庫)

作家になる技術 (扶桑社文庫)

  • 作者: 友清 哲
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 文庫



 日によって書いたり書かなかったりなんですけど、ノルマとして四枚とか五枚くらい書いておけば、ひとまず安心して眠れるんですよ。(p66乙一)

作家にたずねる、作家になる技術。
伊坂幸太郎氏のインタビューや、「チャットdeトーク、本書を読んでホントに受賞しちゃいました!(この本は『新人賞の極意』の文庫版)」、選考委員の話などが盛り込まれている。
ちなみに下記、ジョン・アーヴィング氏とは逆のやり方である。
野口:そうですね。「調べあげた内容から物語を連想する」というスタンスではなく、「思いついたものに必要な知識を収集する」というやり方になりました。(p314)
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2009年10月15日

0532『ハイサイ!甲子園』

★★★★★5

ハイサイ!甲子園 (ビッグコミックススペシャル)

ハイサイ!甲子園 (ビッグコミックススペシャル)

  • 作者: 市田 実
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2008/08
  • メディア: コミック



戦争で街が焼きつくされてからまだ10数年・・・
空爆でできた穴を石や瓦礫で埋めた運動場で練習するのが
私らにとって当たり前の日常でしたからねぇ。(p18)

いい野球漫画だった。
戦後、まだ日本ではなかった頃の沖縄。
少年たちは、アメリカ占領下、過酷な時代の中で甲子園を目指す。
歴史を感じるとともに、純粋に野球に打ち込む少年らの姿が頼もしかった。
政治的なことに野球少年らを巻き込むな、というシーンなどは感銘した。
入れ子構造の構成は、仕方ないにしても、いらないなあ。特にラストの編集長。。。
「(…)グローブも代々使いまわしてるから、相当な骨董品だわぁ!」
「ケッ。大人が子供を笑いモノにするなんてぇ・・・初めて来てみりゃあ、なんとも品のないところだなぁ。」
「あれぇ。ふるげん食堂のおばちゃんっ。今日、店はぁ?」(p60,61)
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0531『翻訳家の仕事』

★★★★4

翻訳家の仕事 (岩波新書)

翻訳家の仕事 (岩波新書)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2006/12
  • メディア: 新書



翻訳家のみなさんの寄稿集。
名訳者37人の競演。
特に、金原ひとみ氏の父上とか、柴田元幸氏とか、村上春樹を英訳したバーンバウム氏、『朗読者』の松永美穂氏など、好きな翻訳家の人たちも顔を並べる。

 文化を積極的に輸入する日本では翻訳や通訳の需要が多く、優れた翻訳者の地位も報酬もそれなりに高い。一方、よその国のことにはほとんど関心がなく、どこでも英語が通じてあたりまえと思いこんでいるアメリカでは翻訳者は無名な存在に近い。(p204 アルフレッド・バーンバウム)
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0530『女王の教室 The Book』

★★2

女王の教室The Book

女王の教室The Book

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本テレビ放送網
  • 発売日: 2005/09
  • メディア: 単行本



ドラマ『女王の教室』のガイド本。
各話エピソードや、いろいろな人のいろいろな角度の「証言」など。
あのドラマは、厳しさとは何か、教育で囲うこととは何か、など、いろいろな問題を突きつけてくれた。
また見たいなあ。

この物語は
悪魔のような鬼教師に
小学6年生の子供たちが戦いを挑んだ
一年間の記録。

そして、子供たちと戦い続けた
教師、阿久津真矢の
真実の姿を
探るための一冊である。(p4,5)
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0529『犬のしっぽを撫でながら』

★★★3

犬のしっぽを撫でながら (集英社文庫)

犬のしっぽを撫でながら (集英社文庫)

  • 作者: 小川 洋子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2009/01/20
  • メディア: 文庫



この文庫の表紙にあるのは、しっぽではなく、モップ、みたいな?
小川洋子氏のエッセイ集。
数、書くこと、アンネ・フランク、犬、虎。
書くことに対する真摯な姿勢と、静かで穏やかな語り口が好きだ。

 長編で短篇であれ、私にとって小説を書くのに何より重要な問題は、場所の決定である、そこさえパスすれば、話は自然と動きはじめる。反対に、いくら登場人物たちの姿が明確であっても、彼らの動き回る場所があいまいなままでは、一行も書き出せない。(p94)
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2009年10月13日

0528『脳が若返る30の方法』

★1

脳が若返る30の方法 (中経の文庫)

脳が若返る30の方法 (中経の文庫)

  • 作者: 米山 公啓
  • 出版社/メーカー: 中経出版
  • 発売日: 2006/09/01
  • メディア: 文庫



帯「科学が示してくれた脳の育て方、大人になっても脳は成長する!」
人々は不安で不安でしょうがない。
学校に行って、学んでいた頃、テストがあった頃、脳は活発に働き、活き活きとしていた。
記憶力も今よりはあった気がする。
それがこの頃、身体がなんか調子悪い。すぐ疲れる。忘れっぽい。言葉がなかなか出てこない。
そんな万人が持つ「老い(死)の不安」につけこんだ本。
ちょっと日常の反復と違うことを提案して、脳に刺激を与えようというもの。
ただ、五感刺激から情報遮断など、けっこういろいろ示唆に富んでいる。
そして、図も多く、読みやすい。

パターン化は「考えない脳」をつくる
パターン化されると試行錯誤をしなくなり脳への刺激が減少する(p143)
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2009年10月11日

0527『ダーリンは外国人with BABY』

★★★★★5

ダーリンは外国人 with BABY

ダーリンは外国人 with BABY

  • 作者: 小栗左多里&トニー・ラズロ
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2008/03/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 赤ちゃんがこれから生まれる方、覚悟してください。「マイ時間」が激減します。そして子どもの動きに合わせた「途切れ途切れ生活」が始まるぞ。(p042パパトニーのつぶやき「途切れ途切れ、途・・・切れ途・・・」)

トニーとさおりの間についに子どもが!
妊娠、出産から1歳までの子育てを漫画でつづった「ダーリンは外国人」シリーズ。
さおりの妻としての視点で漫画が描かれ、トニーの夫としての意見がエッセイになって間にはさまれ、専門医の意見も間に挿入され、多様な価値観、意見を得られる。
勉強になると同時に、国際的な視点や、トニー氏の賢明さに脱帽。

喧嘩していなかったのは、人生のストレスに対して(まだ)耐えられていたからではないだろうか。そして、子どもができたことがきっかけで、それぞれが調和するだけの余裕がなくなってしまったわけだ。そう言えば、昔の僕たちがまれに喧嘩していた場所は、決まって旅先だった。旅行中も、普段の生活と違って余裕がなくなるからではないか。子どもを得たことで、僕たちは新しいリズムを生み出し、不愉快を減らし、愉快を多くしたい。(p100パパトニーのつぶやき「喧嘩なんかしていない」)
posted by B&M at 14:30| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0526『<希望>の心理学―時間的展望をどうもつか』

★★★3

“希望”の心理学―時間的展望をどうもつか (講談社現代新書)

“希望”の心理学―時間的展望をどうもつか (講談社現代新書)

  • 作者: 白井 利明
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2001/11
  • メディア: 新書



友人を大切にし、一緒にいることは、刹那主義や現在主義を肯定し、展望主義を否定することと関係した。つまり、対人関係場面では、未来志向ではなく、現在志向だったのである。
 ひととともにいるときの時間は、何かを達成していくときに流れる時間とは違う流れ方をしていることがわかる。(p113)


村上龍氏が、この国に希望はない、というようなことを言い始めて何年も過ぎた。
少年Aと同い年の僕が、その頃龍氏の『寂しい国の殺人』を読んで衝撃を受けた。
教師になろうと思い立った頃、龍氏は『希望の国のエクソダス』を描いた。教師になる事の困難さを思った。
教師になろうと思い立った頃、大学時代、まだ3色ボールペンを知らない頃、この本を読んだ。大江健三郎氏をマネして、青と赤の色鉛筆で読んだ。

本には「希望」について書かれてある。
ユダヤ人の心理学者の話からはじまり、希望についての考察が続く。
結論は月並みかもしれないが、その過程に意味があると思った本。

普遍的な希望は、個を越えたところにあるのではなく、個のなかにあると考えなければならない。そうでないと、普遍は個の対立物となってしまう。必要なことは、個を越えることではなく、異質な個どうしがつながり、世界を共有していくことなのである。(p167)
posted by B&M at 07:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 哲学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0525『ふたりの気持ちが伝わる 新郎新婦のあいさつと手紙』

★1

ふたりの気持ちが伝わる 新郎新婦のあいさつと手紙

ふたりの気持ちが伝わる 新郎新婦のあいさつと手紙

  • 作者: 島影 教子
  • 出版社/メーカー: ナツメ社
  • 発売日: 2009/04/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



その時代時代によって常にアップデートされていくであろう類いの書籍。
「子どもが生まれてからの結婚の場合」「年齢差のある結婚の場合」「インターネットで知り合った場合」「相手が外国人の場合」など、さまざまなケースに対応したあいさつ例文が載っています。
参考にどうぞ。

僕たちが知りあったのは「テニスをもっと好きになる」というサイトでした。出会い系サイトではありませんのでご安心ください。実は私の母も最初は誤解していて説明するのに時間がかかりました。(p92)
posted by B&M at 06:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月08日

0524『開口閉口』

★★★3

開口閉口 (新潮文庫)

開口閉口 (新潮文庫)

  • 作者: 開高 健
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1979/12
  • メディア: 文庫



開高健氏のエッセイ集。
ほがらかで、明るい語り口で、釣りや小説、食い道楽について語る。

 教えるものが教えられるのが教育の理想である。師はいつか弟子に踏みこえられ否定される宿命にあると忍耐強く私は知覚しているので、つぎからつぎへと湖畔で弟子たちが後姿を見せるままに一人でボートに乗りこんで漕ぎ出し、けっしてこちらをふりかえろうとせず、声をかけようとしなくても、それで満足してるんである。(p137)
posted by B&M at 05:28| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0523『乙女失格』

★★2

乙女失格 (SANWA COMICS No.)

乙女失格 (SANWA COMICS No.)

  • 作者: ベギラマ
  • 出版社/メーカー: 三和出版
  • 発売日: 2003/07/05
  • メディア: コミック



ベギラマ氏による、漫画エッセイ。
性の極北地。
ベギラマ氏は、特別対談「スカトロの入り口付近」の写真で見るに、ピアノの先生でもやってそうな清楚な感じの女性だが、ところがどっこい、ものすごい体験をしていらっしゃる。
その彼女による、乙女失格なエピソードの数々。
指定されてないけど、18禁。

 この本の発売日に、とうとう私も25歳になります。(…)「1人で剥けますぅ」と曰ったのです。即座に「嘘つけ!」ってテレビに向かって怒ったけど、タラオならズル剥けの公算大だなって、そんな事を思ってた24歳なのでした。ガッカリ。(p58,59)
posted by B&M at 04:48| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月05日

0522『フラグメンツ』

★★2

フラグメンツ (2) (Big spirits comics special―山本直樹著作集)

フラグメンツ (2) (Big spirits comics special―山本直樹著作集)

  • 作者: 山本 直樹
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1997/08
  • メディア: 単行本



山本直樹著作集。
『世界最後の日々』など、宗教的なものをやはり追っているんだなあこの人は。この短篇の、黒い犬が印象的だ。
性的にませた女の子の、「ぽつん」のラストもいい感じ。
「ぽつん。」(「ぽつん」)
posted by B&M at 00:41| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0521『テレビばかり見てると馬鹿になる』

★★★★4

テレビばかり見てると馬鹿になる (Manga F comics)

テレビばかり見てると馬鹿になる (Manga F comics)

  • 作者: 山本 直樹
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: コミック



表題作は、映画化された。大したものではなかったが、雰囲気は出ていたような記憶がある。
「なやまない」は怖い話だと思った。
「ひどいやつらは皆殺し」のエイリアンみたいなのは気持ち悪かった。
「勝ったほうだよ」
「勝ったほうが飛び降りるんですね」
「じゃんけん」(p190)
posted by B&M at 00:22| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0520『お家につくまでが遠足です』

★★★★4

お家につくまでが遠足です (F×COMICS)

お家につくまでが遠足です (F×COMICS)

  • 作者: 山本 直樹
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2002/03
  • メディア: コミック



気だるさや、狂気のエロティック短編集。
この頃山本氏は、雑誌「エロティックf」を編集している。
実験的で、はっとさせられるものが多かった。
でも
もうすぐ
死ぬよな
俺たち

死ぬよな(p114)
posted by B&M at 00:15| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0519『夏の思い出』

★★2

夏の思い出 (OHTA COMICS)

夏の思い出 (OHTA COMICS)

  • 作者: 山本 直樹
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 1994/04
  • メディア: 単行本



山本直樹氏のエロティック短編集。
表題作は連続少女強姦殺人事件の犯人に、刑事が侵食されていく。
巻末の、「どれいちゃん」「分校の人」の味わいが好きだ。どちらもしょうもないんだけど。
8月×日
ごしゅじんさまくんの
しょうかいで
アルバイトを
しました(p181)
posted by B&M at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0518『おいしい読書』

★★★3

おいしい読書

おいしい読書

  • 作者: 柴門 ふみ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 1998/11
  • メディア: 単行本



漫画家・柴門ふみによる読書エッセイ。
あとがきによると、大学時代は日に2冊、年間700冊くらい読む、「1日200ページ活字を読まないと禁断症状が出てしまっていた(p186)」というほどの活字中毒者だったとか。
 けれど、このスタイルは、相当量の短篇のアイデアを持っていないと続かない。楽チンなのは、たった一つのアイデアを、大袈裟な感情と陳腐な事件でひっ張って書くスタイルである。(p69)
posted by B&M at 00:02| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月04日

0517『大好きな本』

★★2

大好きな本 川上弘美書評集

大好きな本 川上弘美書評集

  • 作者: 川上 弘美
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2007/09/07
  • メディア: 単行本



自身も作家の川上弘美氏による初の書評本。
10年間の集大成。

できうるかぎり、その作者のほかの著書もあわせて読んでみて、そのうえで書評する、ということだ。
 複数読むということは、つまりいくらかは知る、ということだ。知って、好きになって、とてもいいと思うから、書評したくなるのだ。(あとがき)
posted by B&M at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0516『夢見るころを過ぎれば』

★★★3

夢見るころを過ぎれば―村上龍vs女子高生51人 (ダ・ヴィンチブックス)

夢見るころを過ぎれば―村上龍vs女子高生51人 (ダ・ヴィンチブックス)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: リクルートダヴィンチ編集部
  • 発売日: 1998/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



表現者は、象徴的なサインを見逃すわけにはいかない。表現者は、自分を表現するわけではない。社会的なサインを単に翻訳するのだ。現代の大人達が発しているサインはただひたすら醜悪である。
「寂しい」
 というサインだけを大人たちは発している。そんなサインは翻訳するに足りない。(p325-326)

作家・村上龍氏が1997年12月から2カ月間、51人の女子高生にインタビューをしたもの。膨大な文量になっている。総体を見るべきだから、あえて編集はしなかったらしい。
両親に教養がない子もその影響を受けていた。ロボットのように生きている両親を持つ子には確実にその弊害があった。子どもは家庭に強く規定されていた。(p326)

だからどうしたらいい、というような「結論」を出してくれる本ではなく(結論を急ぐのはよくないし、そもそも結論などないかもしれない)、現実はこうだが、どうしよう、というような本である。
ただ、そのようなインタビューをしての、刺激的な「見解」を、いつも龍氏は示してくれる。
たとえば援助交際の果てに妊娠して病気を移されて自殺未遂をして学校を退学して別の学校へ行って失恋して友達を失って両親が離婚して受験に失敗して人生に絶望しても彼女たちはまだやり直すことができる、という単純で当たり前の事実が、柔らかな肉体性のようなものとして印象に残った。(p327)
posted by B&M at 22:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会(・貧困・格差) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0515『モモ』

★★★★★5

モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)

モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)

  • 作者: ミヒャエル・エンデ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1976/09
  • メディア: 単行本



ケースに入った単行本版。
小学生の頃の僕には重かっただろうが、それを抱えて、行き帰りの通学電車の中で読んだ。
なんと流暢な訳文。

僕はもう昔の気持ちでこの本を読むことはないが、その表紙のずんぐりむっくりの頭が燃えているような髪形の女の子の絵とか、懐かしい。

前半の、灰色の男たちが時間を奪っていくさまなどは、今読んでも考えさせられる。

 「しかし冷静に考えれば、フージーさん、あなたにとってはそれはむだな時間だ。合計すればなんt二千七百五十九万四千秒もの損失なんですよ。そのうえあなたには、毎晩ねるまえに十五分も窓のところにすわって、一日のことを思い返すという習慣がある。これがまた千三百七十九万七千秒のマイナスになりますな。さて、これでいったいあなたにどれくらいの時間がのこっているか、見てみましょう、フージーさん。」
 鏡の上には、つぎのような計算表ができあがりました。(p83)
posted by B&M at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0514『人生に奇跡を起こすノート術』

★★2

人生に奇跡を起こすノート術―マインド・マップ放射思考

人生に奇跡を起こすノート術―マインド・マップ放射思考

  • 作者: トニー ブザン
  • 出版社/メーカー: きこ書房
  • 発売日: 2000/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



トニー・ブザン氏が提唱した「マインド・マップ」は、今や常識にすらなりつつある。
単語のようなもので、連想をどんどんつなげながら、一枚の紙に書きつけるこの方法は、人間の脳のニューロンとシナプスを再現したような、心地よい記録法だった。

本書には、その方法についていろいろ書かれてある。
マインド・マップの使用例として、かなりアーティスティックなものが挙げられており、本来マインド・マップとはこのように創造的な、美術の時間のようなそういうものだったんだとわかる。

ただ、僕としても、こんなちまちましたことはやってられないよと、ちょっと自分の心にダイブしたい時に、これは、何を連想する?これからは?という感じで、自分に問いかけながら、ただ文字で単語だけを並べて行くということしかしていない。
なので、理論というか、そういうのを知ったところで、この本はあまり僕に影響があったとは言えない。

 このとき、発想の展開は縦横斜め、上下左右、さらには過去、現在、未来の時間軸も自由に行き来できなければならない。むろん、知識だけでなく、感性に刻み込まれた体験や感情のほとばしり、光や色に対する感度も織り込んでいく。それがまた想起力を高めることにもなる。(p13)

0513『気がつけばいつも病み上がり』

★★★3

気がつけばいつも病み上がり―本当にあった安田の話 (akita essay collection)

気がつけばいつも病み上がり―本当にあった安田の話 (akita essay collection)

  • 作者: 安田 弘之
  • 出版社/メーカー: 秋田書店
  • 発売日: 2007/07
  • メディア: 単行本




0002『ちひろ』0265『紺野さんと遊ぼう』の安田弘之氏のエッセイ漫画。
題名の通り、病気に関するもの。

第1章「男の病編」の描写力にはうなる。
いやあ、この人の描く絵ってば、なんでこんなに、、、。

第2章は「心療内科編」ということで、若かりし頃の病み具合について。
吾妻ひでお氏の失踪じゃないが、似たようなことを経験されているようで。
宗教入信なども。

第3章の「アニマルセラピー編」は、うーん、ただのペット自慢。
ネタ切れというか、一冊に詰め込みましたみたいな(笑)

うつエネルギーは蓄積されると突如大噴火しますが・・・
ドーピングみたいなもんであっという間に枯渇します
(こういう波なので慣れると予測ができます)
いったんそこに落ちると未来に全く希望が持てません
死にたいとか消えたいとかしか考えなくなります(p62)
posted by B&M at 20:43| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0512『文学テクスト入門』

★★2

文学テクスト入門 (ちくま学芸文庫)

文学テクスト入門 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 前田 愛
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1993/09
  • メディア: 文庫




読んだのはちくまライブラリー9のソフトカバー版。

小説を読んでも、それは著者が意図したものではないし、歴史さえも、あったことはあったこととして認識されず、常に見る者の「恣意的な」レンズでゆがめられる、というような、現代の意思伝達の困難さというか、そういう視点で文学を読み解くもの。
前田愛氏という、女性のような名前の男性の遺作。
田中実氏の、「読みのアナーキー」への挑戦、というとこらへんで、参考文献としてあったので、大学時代に読んだ。

書かれている事実に助けられながら、読者は書かれなかった余白の部分に何かを見てしまうのだ。芥川もあた『今昔物語』のこうした喚起力につきうごかされた一人であって、彼が『羅生門』でやったことは、各シークェンスの間にある空白の部分に彼なりのイメージを充填して行く作業にすぎなかったとも言えるだろう。(p185)
posted by B&M at 20:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 哲学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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