2008年01月13日

0240『痛々しいラヴ』

★★★★★5
痛々しいラヴ
痛々しいラヴ
魚喃 キリコ

ナナナンの最高傑作!だと思う!

人物達の表情が多彩で、はさまれる詩的な文章、ストーリーの多様さなどから、僕はこの短編集が一番好きだ。
男の子をときどき主人公に起用するのも、この短編集ならではではなかったか。

なんというか、きれいにだけ描こうとしてない。
ちゃんと汚い事とかも描こうとしている。
だからこそ、タイトルみたいな「痛々しさ」が出る。

今までバカだと見下してきたけど
オヤジ相手にパカパカ足開いてる少女の皆さん達
君ラはエライよ
それもビッグバーゲンプライスで

同情するよ
尊敬するよ
泣かせてくれるよ(p19)

創作の練習のために、以前、「ライフプランニング」を一部小説化したことがある。
以下、興味がある人はどうぞ。

小説『ライフプランニング(第1話 近田編)』をヨム
posted by B&M at 05:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0239『ザ・クレーター』

★★★★★5
ザ・クレーター (1) (秋田文庫)
ザ・クレーター (1) (秋田文庫)
手塚 治虫

ザ・クレーター (2)
手塚 治虫

たった一キロ四百グラムの人間の脳髄の中に 心のトビラがある
もしかりにこのトビラの中をのぞけば
その おそろしいほどのひろがりと 深さに
おそらくゾッとなるだろう

文庫版解説の石坂啓氏も言うように、名序文からはじまる至極の短編漫画集(石坂氏が引用したのはこれのあとの部分)。
技術、笑い、画力、ストーリー、テーマ、SF、皮肉、多様性、もうほんとうにすごい。
高校の頃に読んで以来、ずっと好きだ。

「見ろ!あの未来の貧弱なこと・・・
あの教師は虚勢をはってるけど実際はあんまりりっぱな計画ものぞみも持っていないことがわかるだろう」(p170)

第2巻のほうの解説は三田誠広氏で、「小説の構想を練る上で、子どもの頃に接した手塚作品のさまざまな短篇の手法や構造が、大きな財産になっていることは事実だ。」というくだりを書かれていたことが強く印象に残っている。
そりゃそうだろうなあ、と思ったし、僕も盗めるものなら盗みたいものだ、と思っていた。
今もその気持ちは変わらない。
posted by B&M at 05:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0238『強く儚い少女達』

★★★★4
強く儚い少女達
羽央

口唇だけで
これ程込み上げるものが・・・
恋じゃないとは
思わない(p58)

絵がきれい。
漫画にありがちな、一戸建てが二つ並んでいて、その2階の者同士がくっつく「恋じゃないだろ?」
題名からなんとなくわかる、「脚を開け」
シチュエーションで楽しい「監禁遊戯」
「脚を開け」と似たテーマの「アタシはオモチャですか?」
そしてこれはすごいイメージの展開、「妄想イエスタデイ」。

下記のところの1ページはすごい。
なんというか、こんなにかわいく、というか、変化を、というか、描ける画力はやっぱりすごいんだろう、と思う。
山崎さやかさんと共に、収穫でした。

「素直じゃないよね?」
「悪いクセなの」(p123)
posted by B&M at 05:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0237『ラブ・ゾンビ』

★★★★4
ラブ・ゾンビ (九竜コミックス)
山崎 さやか

タイトルに魅かれて買ったのですが、収穫でした。
山崎さやか。
やるじゃないか。
物語の持ってき所が独特。
女性でエロなんかも描いたりして。

「ってえ!イテーよ!!」
「前立腺感じた?」
「ぶっ殺すぞてめーー!!」(「主婦201号室」)

依存の「ラブ・ゾンビ」、団地妻の「主婦201号室」、田舎農業の「HIKARI」、タイトル通りの「便所」、デビューしたての背景ざっぱでちょっと岡崎京子?な「群青」、そして

「お前マジで家の仕事継ぐ気なわけ?ブタだろー?地味だしつまんねーじゃん。だいたい一生の仕事今 決めなくたって・・・東京行っていろんなこと知ってから、やりたいことみつけたほうがいいよ。」(「P-good」)

田舎の養豚、「P-good」。

「作品小咄」には書き直しのことを書かれていましたが、女性なのに、エロをよく心得ておられます。
posted by B&M at 05:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0236『日常茶番事』

★★★3
日常茶番事
日常茶番事
新井 理恵

前回に引き続き新井さんの笑える4コマ漫画。

【日常茶番事】
1ごくありふれた平凡な事柄を笑い飛ばすこと。
2茶番を表現することを生業とする者。新井理恵。
(『狭辞苑』より)

「アイアイ」のシリーズは、『ブッタとシッタカブッタ』シリーズに通ずるところがありますね。

「何考えてんの?」
「人間が思っている事を100%的確に言葉で表現できるワケでもないし 言ったところで聞いた側が100%的確に理解できるワケでもないじゃない
おろかな事聞かないで 馬鹿

小説もあって、なかなか面白く読めました。
posted by B&M at 04:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0235『ペケ』

★★★3
×(ペケ) (7)
×(ペケ) (7)
新井 理恵

「先生は25歳になりました。」
「それは人間の年に直すと何歳ですか?」
「失礼ね!ちゃんと人間の年よ!」

学園ネタ、ファンタジー、古典、エロネタ、ホモネタもなんでもありの4コマ漫画。
かなり笑える。
「だいたいなんだよ あの女
男の前でだけ気が利くブリやがってよー!!
てめーなんかが純情ぶっても
可愛くねーんだよ
このクソぶブァ・・・がッあ・・・」
posted by B&M at 04:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0234『レイアウトひらめき事典』

★★2
レイアウトひらめき事典
レイアウトひらめき事典
レナード コレン,R.ウィッポ メックラー

「ひと目、五十手」という言葉がある。(「これは恐ろしい本である」より)

囲碁でいうところの先見性のことだ。
勉強し、行く通りもの「型」を知ることは大事である。
しかし、多様性も複雑化した現代では、なかなかすべての型を覚えておくことは難しい。

もし、素人がこの本によって”長年”を経ずして、いとも簡単にプロになれるとしたら・・・。(「これは恐ろしい本である」より)

難しいからと、簡単にこういう事典に頼って、結果がいい方向に進むかどうか、は、僕にはわからない。
けれど、アイディアなどでうんうん唸るより、こういった一覧、カタログからヒントを得るほうが、時間の短縮にはなる。
オリジナリティよりも、新奇さよりも、迅速さを選ぶ必要があるときなどは、こういう事典はすごく役に立つ。
posted by B&M at 04:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする