2007年09月29日

0092『ショートカッツ』

★★★3
Image
ショートカッツ
古屋 兎丸

1,2ページで終わるショートショート集。
デフォルメされた女子高生たちで全編彩られている。
いろいろなアイディアで埋め尽くされていて、最後まで飽きずに楽しめる一冊です。

みんな、聞いたかいっ!!
かおりはこのW女学院帰宅部のほこりだ!!
死の直前までイミないパープー話をして・・・
女子高生をまっとうしたんだ!!
かおりのために、
みんなで部歌をうたうよ。


今まで紹介してきた古屋兎丸
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2007年09月28日

0091『こま切れ時間活用術』

★1
こま切れ時間活用術
こま切れ時間活用術
西山 昭彦

雑誌的な小ネタの寄せ集め本。
それぞれの行為について深く追求する姿勢はない。
カタログ的に思いつきやアイディアが列挙されていて、「こま切れ時間になかしたほうがいいな、さて、どうしよう」と軽く考えながら読むならいいかと思う。

せこせこと生きるためではなく、充実して何かをなすために生きたいと思う。
そうするためにはパフォーマンスをあげることと、寸暇を惜しんで何かをなすことが必要だ。
意欲を持ち、効率をあげ、パフォーマンスをあげるための精神状態・健康維持、あとはせこせここま切れ時間。

図書館にあれば借りて読めば十分の本。
いくつか役にたつ項目があるかもしれない。
ただし先にも書いたが、追求する姿勢はない。
例えば、

 新書程度であれば、慣れれば行きの電車30分で読み終えることができるようになるでしょう。

って、本当か?!
どういう本をどうやって読めばそれが可能なのか?
ということについてはなにも言及はない。
実例もない。
そういう本だ。
なぜこんな本に1300円も支払ってしまったのだろう。
posted by B&M at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月27日

0090『わたしたちの好きなもの』

★★★★4
わたしたちの好きなもの (BEAM COMIX)
わたしたちの好きなもの (BEAM COMIX) 安永 知澄/河井 克夫/上野 顕太郎/しりあがり 寿

「ここに漫画の新しい可能性がある」のかそれとも、「おっさん達が若い娘をもてあそんでる」だけなのか。

原作を他の漫画家さんたちに頼み、その「無茶振り」を描き切る安永氏。

『わたしたちの好きなもの』から、テンポチェンジの『なぎ』まで、楽しく読めた。
「原作をいかに描くか」、というそこをクローズアップしてなお、この作品が魅力的だということに驚く。
短編を描くことの勉強になりそうな本。

そこまで描けるのか安永知澄!とうなってしまった。

あ、新作が出た、早く読みたい、と思える作家さんのひとり。

先生の
孤高の花を
包んでくれる人が
現れてれば
いいなと
思う


参考:0047『やさしいからだ』
posted by B&M at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月22日

0089『コミック文体練習』

★★★★4
コミック 文体練習
コミック 文体練習
マット マドン

レーモン・クノーという人の『文体練習』をコミックでやろうという意欲作。

本書を読むことは、「語られている中身」に対して「語る方法」がどんな効果を及ぼしているかを考える機会になるだろう。(序文)

ひとつのストーリーを99の方法でアプローチする。

時として、語り方はストーリーに深みを持たせる、ということが、この本からはわかる。(ただ語る人物が変わる、という原始的な方法から、なんと、そんなことまで!というエキセントリックな語りまで。)
時々取り出して、雑誌感覚で読みたい本だ。

小説作家には文体、というものがある。
その文体によって、語られるものごとが違った彩りを見せてくる。
それが、我々読者の現実世界を「異化」するとき、小説を読むことの豊穰さを実感させられる。

それはすなわち型ということで、スタイルということだ。(斎藤孝氏はよくこれらのことに言及する。僕は斎藤氏からはじめて型やスタイルということを学んだ、と思う。)
それはある決まったトンネルみたいなもので、あるいは色眼鏡のようなものだ。
それを手に入れて、現実をそこに放り込むと、ある決まった変数がかけられて結果がねじまがる。
そこに新しい世界が開けている。

訳者の大久保氏は『文学におけるマニエリスム』が『コミック 文体練習』の最良の参考書になるのではないか、と書かれている。

マニエリスムとはなんぞや、と思ってちょっと調べてみると、マンネリズムの語源にもなったといわれる15世紀イタリアの芸術運動のようだ。
マニエリスム - Wikipediaマニエリスムとグロテスクを閲覧したが、どちらもよく似た文章になっている。後者の方が画像もあって少しだけ内容が豊かか。)

ただ、マンネリ自体の語源を検索で調べてみると、英語のmannerからだ、とある。
マンネリ - Wikipedia
マンネリ - 語源由来辞典
マンネリ : デイリーヨミウリ記者のコレって英語で? : 英語 : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

まあ、どちらでもいい。
ともかくマニエリスムとは、ミケランジェロやラファエロの画風の模倣からはじまる。
「文体の模倣は、新人作家が誰憚(はばか)らず、大威張りで試みていいことである。」(スティーブン・キング『小説作法』p184)とキングは述べているし、さまざまな作家が自分の文体に影響を与えた先人たちの名前を挙げたりする。
その文体という色眼鏡を使って世界を見るのだ。

「寒い」という言葉を知らないと、我々は寒いと感じられないかもしれない、という哲学の話を聞いたことがある。
ことばという色眼鏡で、我々は世界を他のものとして見ているのかもしれない。
であるならば、次はその言葉をいかに使うかの文章家の「技」にかかってくる。
その「技」を盗んで、我々は生きている。
この「技」というのは、たぶん「文体」とほとんど同義なのではないだろうか。

本書はこうした文体について考えさせてくれる優れた本だ。
著者マドン氏が参考にした・模倣した・換骨奪胎したクノー氏の『文体練習』も読んでみたい。

 陳腐な「内容」の物語に感動を求める風潮に辟易している読者に、『コミック 文体練習』は、ひたすら「形式」に徹することから生れる快楽を与えてくれるでしょう。(訳者あとがき)
posted by B&M at 14:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月21日

教養新書フェア2007@Amazon.co.jp

こんなフェアがAmazonで開催されていた。

教養新書フェア2007 Amazon.co.jpメッセージ

各社の編集長さんなどがコメントしていて興味深い。
特に、幻冬舎新書のものを取り上げておく。

新書を創刊してまだ半年だが、思ったことは、ただ一つ「新書は楽しい」につきる。新書は、どんなテーマのものを入れてもサマになる。読者の反応(売れ行き)が単行本より素早く、新聞や雑誌、テレビで紹介される頻度が高い。歴史的なベストセラーや名著が出現して社会的注目度が高い。各社、テーマや著者選びに、しのぎを削っているムードがあって競争心に自ずと火が点きやすい。気分は「よそも頑張ってるなあ。うちも負けないよ」である。(幻冬舎新書編集長 志儀保博)

「新書ブームはもう終わったんじゃないか」「「入門書」ならぬ「門前書」がほとんど」(宮崎哲弥『新書365冊』p359)とも言われる新書だが、その携帯性だけで十分に生き延びていってしまえる強さは持っているのだろうな。
それに加えて昨今の新書ブームで、各社どのようなテーマで新書を出すか、なかなかに楽しみな状況でもある。
posted by B&M at 23:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 管理者日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月19日

0088『座右のゲーテ』

★1
座右のゲーテ -壁に突き当たったとき開く本 (光文社新書)
座右のゲーテ -壁に突き当たったとき開く本 (光文社新書)
齋藤 孝

世阿弥、ニーチェ、ドストエフスキーといったものを座右の書とする斎藤氏の「ゲーテ本」。
もちろんゲーテも座右の書。

「人類最高レベルの資質を持った人間」、「一人の人間が生れて死ぬまでの間にどれだけ自己を豊かにさせることができるか」ということに挑戦していたかのようなゲーテを、斎藤孝さんがわかりやすく解説してくれる。

2.自分を限定する
4.日付を書いておく
12.使い尽くせない資本をつくる
など、ためになる。

実は私は、手帳は捨てない主義だ。(4.日付を書いておく)

※斎藤孝氏の手帳術について、こちらで読むことができます。
Koyomi365 | 時間管理の達人
また、『三色ボールペン情報活用術』に斎藤氏の手帳の中身が少しだけ写真で載っています。
posted by B&M at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0087『生き方のスタイルを磨く』

★★★3
生き方のスタイルを磨く (NHKブックス)
生き方のスタイルを磨く (NHKブックス)
斎藤 孝

スタイル、技化、型。
「要は教育というのは型にはめる作業なんだ」なんてことを考えたこともある。
同時に、型にはまることを嫌がる、そういう自由な魂としての子供をイメージする。
それを無理やりに押し込もうとして、殴って蹴って食事を与えず、大人しくなった頃には魂が死んでいるが気にしない大人たち。

この前九州を旅行した時、ウルトラマンなんたらで、気球の中に怪人がいて、その怪人は子どもたちの魂を喰らう、という話を見た。
母親たちは子どもたちが「いい子」になると、こぞって気球に子どもたちを乗せようとする。
デモ行進などをして、気球を我が街に、などとやったりする。
ウルトラマンの隊員たちが危険ですから、と訴えても聞こうとしない・・・。
すげえなあ、風刺だなあ、と思った覚えがある。

無理矢理には、型にはめようとしないことだ。
と思う反面、僕はしばしば生きるのに苦しむことがある。
手本がなく、模範がなく、宗教もない、日本という国で。
村上龍氏などは、バブル、空白の10年を経た日本で希望がないというようなことをおっしゃられている。

自分のスタイルは自分で見いださなければならない。

そのスタイル発見・スタイル作りの参考になるであろう本。

個人的にはバルザックが黒い液体で百万馬力、なところなどが印象的。

大きく言えば、たよりきる宗教を持たない者でも、自分の人生を安心して受け入れ、他人の生き方を寛容に味わうことは十分できる、そうした理論をつくることがねらいである。(あとがき)
posted by B&M at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0086『天才になる瞬間―自分の中の未知能力をスパークさせる方法』

★★2
天才になる瞬間―自分の中の未知能力をスパークさせる方法
天才になる瞬間―自分の中の未知能力をスパークさせる方法
斎藤 孝

0085『天才の読み方』に続いて、「私は、天才と呼ばれる人の伝記や記事を読むのが好きだ。(はじめに)」という斎藤氏の天才論続き。

黒澤明、ビル・ゲイツ、宮崎駿といった人々の「天才」性の秘密に迫る。

25pesoブログのほうで書いた(点と線5×5=ビンゴ)、「盗作、パロディ、パクり、引用」といったことを考えるのを助ける記述があった。(点と線2に書いた)。
斎藤孝氏自身、さまざまな引用により著するスタイルを持っている人だが・・・。
それを盗作だとか、パクりだとかいう前に、我々自身がこうして使っている言葉もオリジナルのものではないのだよ、という問題・・・。
むしろ、パクりOK、コラージュOK、引用OK、問題はそれらを用いて新しいことを、魂を、感動を結果的に書けたかどうか、なのではないだろうか・・・。

そして斎藤孝氏の本で、僕は確実に新しいことを知ったり、成長したりできているのだ。

結論から言ってしまいましょうか。それは、憧れの存在が、自分自身のブレイクスルーのチャンスを潰してしまいかねないということ──。(p182)

文庫版:天才になる瞬間―自分の中の未知能力をスパークさせる方法 (青春文庫)
posted by B&M at 20:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0085『天才の読み方』

★★★3
天才の読み方 究極の元気術 (だいわ文庫)
天才の読み方 究極の元気術 (だいわ文庫)
斎藤 孝

「天才は「何の苦労もなくやりとげた人」でもないし、「変人」でもない。
確固とした「自分のスタイル」をもち、「工夫」を積み重ね、「エネルギー」の出し惜しみをせずに、「膨大な量」の努力や仕事をやりとげた「上達の達人」である。
ピカソ、宮沢賢治、シャネル、イチローという不世出の天才に学ぶ、誰もが実践できる人生の上達術!(裏表紙より)」

斎藤氏は、いろいろな知的技術などを「技化」し、スタイルにしよう、と努力されている人である。

本書は、天才たちの仕事スタイルについて追求している。
天才は天才だから天才なんだ、という考え方もあるけれど、自分の生活の参考にして、取り入れられる部分もあるものだ。
僕は天才ではない。
お父さんお母さん、期待に応えられなくてごめんなさい。
でも、それなりにこれからも努力していこうと思っています。

 最近、若い人と話していると、自分は天才だと思い込もうとしている人もいますし、そう公言する人もいます。学生たちのなかにも「俺は天才だ!天下を取ってやる」とレポートに書く者もいますが、その前に「頼むから天下より先に単位を取ってくれ」と声をかけたくなるほど、具体的な工夫、具体的な努力に欠けています。具体的な努力をしないことを、天才の指標としたがる人が多いことがこんな身近な例からも良くわかります。
posted by B&M at 20:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月17日

0084『海辺のずかん』

★★2
Image
海辺のずかん (福音館のかがくのほん)
松岡 達英

0009『冒険図鑑―野外で生活するために』の松岡さんの絵による海辺の図鑑。
少年時代の僕が『冒険図鑑』とどちらを先に手に入れたのだったか、もう記憶にはない。

今の子どもたちは、ちゃんとこの図鑑の男の子みたいに、家族とこういう体験をしているだろうか?
ゲームの中だけで自然と触れ合っているのだろうか?

でも、なんのことはない。
もうすでに僕の子供時代から、自然は遠いものになっていた。
僕は電脳ではないであれ、こうした図鑑を通して空想の中の自然に遊び、わずかだけ、本物の「体験」をした。

そういうことについての反省はこうしてすれど、やっぱりなかなか、自然の中に飛び込むことは、難しいのが現実。


学校という職場は子どもたちとそういうことを体験する機会が多いんじゃないかと思われるだろうが、実際は、安全管理やなんかで、やっぱり、難しいのが現実だ。

海にせなかを向けてはあぶないよ!
posted by B&M at 13:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0083『長い道』

★★★★4
長い道
長い道
こうの 史代

というより道はおれが質に入っているってわかっているのか?
0030『夕凪の街桜の国』0076『ぴっぴら帳』のこうの史代さんによる、解消なしの夫・荘介と、ノー天気な妻・道の、「心にしみる54のプチ物語(裏表紙)」。
はじめは三頁の連載だったが、雑誌の判型が変わったどさくさに紛れて四頁になったそうだ。

心があたたかくなるマンガです。
昔読んだ『めぞん一刻』みたいな雰囲気が好きだ。

「道、おまえって馬鹿だなー。曇ってるっていま言ったのに。
 ほんと馬鹿。おれなんかと結婚しちゃってさ。
 ・・・今さらイヤだって言ってもおれもう別れてやんないかもよ。」
posted by B&M at 12:26| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0082『孤独であるためのレッスン』

★★★★★5
孤独であるためのレッスン (NHKブックス)
孤独であるためのレッスン (NHKブックス)
諸富 祥彦

周囲に同調しすぎて自分を見失いかけている
多くの学生、OL、サラリーマンたち。
同質社会・日本で、一人で生きられる能力をもつため、
孤独のすすめを説く。逆に、「人並み」から外れた
「不登校、引きこもり、パラサイト・シングル、生涯独身、
シングル・マザー、超OK」と著者はあえて擁護する。
時代を拓くカウンセラーが臨床経験などをもとに、
どうしたら一人になれるのか、こころの声を聞くスキル、
孤独を深めると、どのような人生が開けてくるのかを語る。
(カバー折り返しより)

大学時代に見たことだったと思う。
東京だったかどこだったか忘れたが(当時僕は自転車で旅をしていたのでいろんな土地に赴いていたから)、小奇麗なカフェだったと思う。
OLだろうか、すらっとした容姿で男性には不自由しそうにない女性が、この本を読んでいた。

この頃本屋に『おひとりさまの老後』という本があって、買うのをためらって、買わなかった。
でも、そういう「生き方」自体に、僕はどこか無性に憧れているところがあるのだと思う。

 私は、一切の雑多なことを忘れて、自分の心の奥へ奥へと、深く深く沈潜していく時間が一日の半分くらい確保できないと、次第にストレスが蓄積してきて、無性にイライラし始めてしまう性質(たち)なのです。(p12)
0074『遠い太鼓』に描かれていたような、言葉の通じないヨーロッパの地で誰にも会わず、ただずっと走ることと翻訳と小説を書くことをし続けた村上春樹に憧れた。
僕もこの作者、諸富さんと同じく、ある程度自分自身の中に沈潜していかないとだめな性格なのだと思う。

「今の子どもたちに社会性を育成しなくてはいけない」。
しかし一方、それは「当の子どもたちにとっては、きわめて脅迫的」なことなのではないか。(p26)

「孤独」について有意義に考えさせてくれた、僕にとって大切な本のひとつです。
それは、この頃「つながり」(0078『ふたりだからできること』)やら「コミュニケーション」(0075『コミュニケーション力』)やらを考える一方、どうしても「ひとり」(ひとりカラオケの記録)みたいなことを考えたりしなければならない「魂が欲張りな人(『孤独であるためのレッスン』p253)」にとって、多様な視点を与えてくれる重要な書物だと感じます。

 孤独を癒すことのできる、ただ、一つの道。それは、孤独から抜け出すことではなく、より深く、より深く、その孤独を深めていくことだ。
posted by B&M at 08:26| Comment(0) | TrackBack(1) | 哲学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0081『蠢動』

★★★★4

蠢動
園山 二美

私 園山ふたみ14歳
中学3年生です
でも中一の夏からずっと
学校へは行ってません
どうして?
とよく聞かれますが
私にも分かりません
ここに紹介している『蠢動』『続蠢動』の2冊しか世に出していない園山氏の貴重な作品集。

自殺しようとする女性の話からはじまり、
1.虫がうごめく
2.悪者などが立ちあがってさわぐ((取るにたらないものが騒ぐこと))
というタイトルが暗示するように、人々のちょっとした試みや思索が描かれていく。
またそのタイトルは、「漫画が漫画であることを楽し」み、描いて誉められて「小躍りなんか」してしまう作者自身のことも言っているのだろう。(『蠢動』あとがきより)
「25peso」に通じるところがある。

単純に楽しめる作品、とは言い難い作品群。
ちょっと文学的な、人間の本性をえぐろうとするような。

そんな中で『コンビニキング』みたいなものを描かれると、どこか物足りない、半分以上の空気が入ってしまったゼリーみたいに感じる。
「あ かわいい。 かわいい。 小物屋さんみたい。」
「赤井さん それは買いやすいパッケージの コンドームです。」

(かわいい。)
でも、それもまた愛おしい。

園山さんはまだ描いているのだろうか?

続刊があればいいのになあ。


蠢動 (続)
園山 二美
posted by B&M at 07:55| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月16日

注目のマンガ2冊

続編刊行中のマンガ、つまり物語が終わっていないマンガについてはカウントしないというルールを決めている。
なので、別枠で紹介。

すごい2冊に出会った。

預言者ピッピ 1 (1)
預言者ピッピ 1 (1)
地下沢 中也
ピッピが神を理解してくれることを・・・
絵はちょっと下手。でも上手い。どっちなんだ。黒田硫黄さんみたいなもんだと言えばいいのか。
コマ割りとかいろいろを総合的に見て、「一般的には」うまい部類には入らないんだと思う。
いい意味で洗練されていない。
でも、味がある。
ありすぎる。

28ページ目なんてすごい。

要は『アイ・ロボット』とか『マイノリティ・リポート』とか0054『エンジェリック・ハウス』とか、あまたあるそういうマンガなんだけれど。

長靴下のピッピって、どんなお話だったっけなあ。
読んだことあったかさえも覚えてないなあ。
長靴下のピッピ - Google イメージ検索

 ***

ショートソング 1 (1) (ジャンプコミックスデラックス)
枡野 浩一,小手川 ゆあ

短歌は初心者のころのほうが楽しいんだ
つくればつくるほど苦しくなる
とことん苦しくなるくらいやってみろよ
それが才能あるやつの務めなんだから
ポップに短歌を楽しんでいく。
こういうメディアミックスの力は今求められている。
第1巻、最後はすごく切ない感じ。
挿入される短歌もすごく良質な感じがします。
こりゃ、ますます原作を読まねば!(いつか!)
posted by B&M at 13:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 管理者日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月12日

0080『偏愛マップ』

★★★3
偏愛マップ―キラいな人がいなくなる コミュニケーション・メソッド
偏愛マップ―キラいな人がいなくなる コミュニケーション・メソッド
斎藤 孝

以前紹介した0075『コミュニケーション力』でも触れられていたことですが、自分の偏愛について書いたマップをもとにコミュニケーションをとるということ。
斎藤氏曰く、「史上最強のコミュニケーション・メソッド。(あとがき)」

確かに相手が好きなものと自分の好きなものが一致していると話ははずむ。
普段一緒にいるけれど見えないところで、相手は意外なことが好きで、意外な共通点があったりするかもしれない。
職場でも、家庭でも、恋人同士でも。

本家ブログのほうで偏ろうと思ったり(07.08.20からあたり)、中庸を行こうと思ったりしていますが、偏愛しているものがなければマップも寂しい。
たくさん偏愛しようという愛のパワーに目覚めました。

この著作がまとめられた数ヶ月後に『コミュニケーション力』がまとめられたようですが、『コミュニケーション力』のほうではさらっとしか触れられなかった「偏愛マップ」について、具体化して綿密に触れる本という感じ。
齋藤孝という人は本当にすごい。
著作が樹木のように成長していきます。
そして、枝葉のディティールも的確。
岡本太郎やジョン・レノンの偏愛マップを作ってみたりもして。

偏愛マップ名刺。
僕も作ってみようかしら。
そうしたら思わぬ出会いがあるかしら。

 ところが、今の世の中、下手をすると偏っているということ自体がなにか悪いことのように言われてしまいます。オタクとかマニアと呼ばれて、排除されるような雰囲気があります。
posted by B&M at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月09日

0079『本音か!』

★★2
タカアンドトシ 本音か!!
タカアンドトシ 本音か!!
タカアンドトシ

前半がタカアンドトシの今までの13年間の「屈折」。
後半はケチャケチャラジオ関連。
ふたりのたたずまいが、控えめで好きだ。
TSUTAYAで「好評のため3泊レンタル」になっていたDVD『タカアンドトシ新作単独ライブ タカトシ寄席 欧米ツアー2006』の多才ぶりに惚れてしまった。
彼らの初の単行本です。

どのタレント本でもそうですが、タカアンドトシが好きな人にはたまらない一冊。

二人は中学時代、トシが転校してきたところからなんですね。
プロレスのバカトークで盛り上がっているうちにタカがネタを考えてきて、というのがはじまりのはじまりのようです。
案外ツッコミのトシよりもタカのほうが、はじめは積極的だったようで。

タカ ほんで、もう高校バラバラですけど、週末はどちらかの家で「とりあえずネタをやっとこう」って。ま、ボクが半ば強引に誘ってたんですけど。で、1週間ずうっと、授業中とか空いた時間があるとネタを考えて、それを持ち寄って。8ミリビデオ持ってね。
posted by B&M at 09:10| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月08日

今注目の漫画

このブログでは完結した物語しかレビューしないことにしている。
なので、ここで現在進行形で注目の漫画をいくつか紹介。

おやすみプンプン 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)
おやすみプンプン 1 (1) (ヤングサンデーコミックス)
浅野 いにお

本ブログのほうでは紹介しましたが(シュール・リアリズムな浅野いにおの『おやすみプンプン』)、浅野いにおさんの最新作。
この読書ノートで浅野いにおさんの過去の作品はほとんどすべて紹介してきたと思う。
注目の漫画家さんです。

 +++

働きマン 4 (4) (モーニングKC)
働きマン 4 (4) (モーニングKC)
安野 モヨコ

劇場版エヴァンゲリヲン1が公開されて注目の庵野監督の奥さんとなられた安野さんの、モーニング連載中のお仕事マンガ。
働きはじめてまだ3年。
このマンガに学ぶところは多くあります。

 +++

SOIL 6 (BEAM COMIX)
SOIL 6 (BEAM COMIX)
カネコ アツシ

パンクでポップでミステリアスなマンガ。
その不思議な感覚に引き込まれてしまいます。
そのうちこの人の作品を紹介していくと思います。
ほぼぜんぶ集めて読んでしまったので。

 +++

新ブラックジャックによろしく 2 移植編 (2) (ビッグコミックススペシャル)
新ブラックジャックによろしく 2 移植編 (2) (ビッグコミックススペシャル)
佐藤 秀峰

新シリーズ。
この人の描く絵は常に切迫感、張りつめたものがあります。そして、ぬくもりもある。
ふと思ったのですが、この「熱」「緊張」を抜いて描くと、この人のマンガはどうなるんだろう。
・・・誰もそんなもの求めてないか。

 +++

鈴木先生 3 (3) (アクションコミックス)
鈴木先生 3 (3) (アクションコミックス)
武富 健治

すごい。
ここまで教員について描けたマンガがあっただろうか。
大注目して続刊を待っています。
特に中学生の性問題に関しては、固唾を呑む思いです。

 +++

ハチワンダイバー 3 (3)
ハチワンダイバー 3 (3)
柴田 ヨクサル

熱血将棋マンガ。
そのテンションに圧倒されます。
今月最新刊の4巻が出るようです。
ハチワンダイバー 4 (4) (ヤングジャンプコミックス)
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0078『ふたりだからできること』

★★★3
ふたりだからできること
ふたりだからできること
ほしば ゆみこ

 何かしなければならないことがあるとき、自分ひとりでやり遂げるのと、誰かの手を借りてするのとでは、どちらが「偉い」って感じますか?どちらが価値のあることだと思っていますか?
1000円という価格設定に驚かされるが、それは絵本というものを「簡単に読めてしまう媒体」としか捉えていないからだろうか。

しかし、単純でシンプルなだけにすとんと心に響くこともある。

0075『コミュニケーション力』でも書いたが、今期の僕の目標は、コミュニケーション。つながり。流。対話。他者の発見。
夏に小説を書いたら人物がひとりしか出てこなかった。
たくさんブログを書くのも自分が愛おしいからである。
自分が何を見、何を感じ、何を考えたか。
それを他者が見る。それでも僕は僕。放っておいてくれ。揺るがない自分がほしい。恋愛をしても流されないような。面接で聞かれることにずんずんと答えていくような。保護者を前にしても、他の先生を前にしても、芯がぶれない。自分が何者なのか。自分のやりたいことがなんなのか。

そんなことを思うのは、実は、他者にいろいろな意味で依存してきた証なのかもしれない。

けれど、そうして孤独な城で築いた自我は堅牢でありうるだろうか?

自分を掘り下げていくうちに、他者に対するあこがれが生れてくる。
ひとりカラオケをした。
他人の歌を聴く時間がもったいない。他人に自分の歌を聴いてもらうのが申し訳ない。自分の声に酔いたい。自分の好きな曲だけで埋め尽くしたい。
Mr.Childrenのアルバム『HOME』の中に、『Another Stori』『彩り』『Sunrise』といった歌がある。
ひとりカラオケでそれらを歌った。
どこか、『HOME』というアルバムの琴線に触れた気がした。

つながり。

喧嘩すること。
我慢すること。
つい比較しちゃうこと。
嫉妬すること。悔しいって思うこと。
posted by B&M at 23:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0077『ハルチン』

★★2
ハルチン (Mag comics)
ハルチン (Mag comics)
魚喃 キリコ

2ページ見開き漫画。
女の子っ気のない「ハルチン」とその友だちチーチャン。
普段はシリアスなナナナンさんのコメディです。

男子としては女子の日常が垣間見れてなかなか面白かった。

0076『ぴっぴら帳』と同じくトイレ本でした。
ハルチン23歳という、年齢の近さもあって親近感を持って読了。

他のシリアスなナナナンさんの作品と比べなんとあっけらかんとした作品なのか。
こちらのほうが氏の普段の日常に近いのでしょうか?
どうなんだろう。

ハルチンはハルコといって
もうすぐ23歳になる
そして思った
「あたしももう大人なんだしちっとは女らしくなってみたいもんだ。」
posted by B&M at 22:58| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0076『ぴっぴら帳』

★★★3
ぴっぴら帳 (完結編)
ぴっぴら帳 (完結編)
こうの 史代

トイレでちょっとずつ読んでいた本。
仕事がつらい日などに開くと、そののどかな日常にちょっと元気になれたり。

0030『夕凪の街桜の国』のこうの史代さんの小鳥たちとの日常を描いたまんがです。
「おしまいに」によると、7年も描き継いだとか・・・。
この「おしまいに」、こうのさんの創作の苦しみなどが垣間見え、なるほどなあと。

「やれやれ・・・クリスマスクリスマスとキリスト教徒でもないくせに」
「まったくねえ・・・日本にはもともと八百万(やおよろず)の神々がいてそれぞれに合ったまつり方をしてきたんですよ・・・それを今さらひとり増えたぐらいでつべこべと・・・あんたそれでも日本人かい?!」
どーん
「オレかい!?」
posted by B&M at 22:49| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0075『コミュニケーション力』

★★★★★5
コミュニケーション力 (岩波新書)
コミュニケーション力 (岩波新書)
斎藤 孝

我が職の2学期の目標は「コミュニケーション力」にしようと思っていた。
去年一年は僕自身が職場に慣れること、生徒と楽しむことが目標だった。
部活で苦しいこともあったが、ともかく「経験」ができた。いろいろなことを知れた。
生徒と英語をいろいろな形で楽しめたと思う。
英語はコミュニケーションだ。
言語運用能力もさることながら、やっぱり、コミュニケーション。
僕という人間自体がこの能力に欠けるところが多くある。
夏に書いた短編小説には人物が一人しか出てこなかった。
0072『Garden』で触れたフランシス・ベーコンはほとんどの画の中に一人しか人間を描かなかったという。

コミュニケーションとは、他者の獲得である。

また、個人主義からの脱却でもあろう。

この本を読んでいると、ぽろぽろと目からうろこが落ちたり、授業のアイディアを思いついたりして、よい読書体験をさせてもらった。
よって、星5つ。

一緒の空間にいて、相手がそこにいることは分かっているのに、あたかも誰もいないかのように振る舞い合うーーそうした気まずい空気を過ごすよりは、さっと世間話をして、気持ちを交わし合って別れる。そのほうがずっと気分がいい。(p45)
posted by B&M at 22:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0074『遠い太鼓』

★★★★★5
遠い太鼓
遠い太鼓
村上 春樹

 四十歳というのは、我々の人生にとってかなり重要な意味を持つ節目なのではなかろうかと、僕は昔から(といっても三十を過ぎてからだけれど)ずっと考えていた。
村上春樹氏が『ノルウェイの森』や『ダンス・ダンス・ダンス』を書かれていた頃のヨーロッパ旅行記。
僕は高校の頃にこの本を読んで、人生のバイブルになった。
春樹氏のたたずまいや視点。
単行本に挿入されている執筆する後ろ姿の写真。
執筆に関する文章。
強烈に「村上春樹」という人に魅かれた記憶があります。

今はいくぶんかその熱は引き、僕は僕の人生をどう歩むかを考えるようになってきてはいますが、また30が近くなる頃、実感を伴って読むことになるのだろうか・・・。

文庫版(僕はこちらも持っていますw):
遠い太鼓 (講談社文庫)
遠い太鼓 (講談社文庫)
村上 春樹
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0073『段取り力』

★★★★4
段取り力
段取り力
齋藤 孝

そのタイトルからして、当時の僕には画期的だったように思う。
社会に出たてで迷い、どうすればいいのか考えていた頃に書店で見かけていた。
時間術とか、整理術とか、手帳術とか、いろいろな方法本にはまっていたころだった。
そうしたハウツーをめぐり、そうか、次は段取り力かと思いついて、すぐに書店に走って購入して、一気に読んだ記憶がある。

この夏考えたことを僕は「システム」と言っているが、「段取り」と言ってもいいかもしれない。

僕にとってはためになる一冊でした。

非常に意志力があると見える人でも、実は脳を使いっぱなしにしているのではなく、ある期間は自動運動している。(p78)


文庫版が出ています。
段取り力―「うまくいく人」はここがちがう (ちくま文庫)
段取り力―「うまくいく人」はここがちがう (ちくま文庫)
斎藤 孝
posted by B&M at 22:06| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0072『Garden』

★1
Image
Garden (Cue comics)
古屋 兎丸

もうこれ以上読めないと思ったら、迷わずすぐに読むのを中断して下さい。
ブックオフの100円コーナーで出会った作品。
古屋氏の処女作「笑顔でさようなら」含む7作。
最後の「エミちゃん」については袋とじになっており、ハサミで切り開いて見るようになっている。
「「エミちゃん」の読み方」なる儀式のページがあり、「注意:人によっては不快と思われる描写があります。もうこれ以上読めないと思ったら、迷わずすぐに読むのを中断して下さい。」などと書かれてある。

Amazonのレビューを見てもかなりのものだとわかると思うが、グロい。
グロい、という言葉を遣うと、それが消費される前提にあるようなので別の言葉を探そう。
残酷で、無慈悲だ。(これで表現できたのだろうか。)

それでも作者にはそれを描かねばならない理由があった。
あとがきにはこう書かれてある。
「その衝動そのものが<暴力>というキーワードにつながっていったのですがそれが幼女への暴力へと向かったのは痛さがより自分に突き刺さる形で描きたかったからです。」

人に勧められない、技術の未熟さ、などで星はひとつだが・・・。

残酷描写について、僕はずっと答えが出ないままでいる。
それは社会にとって必要なものなのか。
それによって解消、カタルシスを得る者もいると思う。
僕はそういう描写を見ると、現実を超えた現実を見る思いがして、なにものかを考えられることがある。
しかし一方で、その者の妄想を助け、結果、最後は社会の迷惑行為、迷惑と呼ぶには軽過ぎる行為に走る者も出てくる。

処女作である「笑顔でさようなら」についてだが、フランシス・ベーコン(Wikipedia)という作家のトリビュートらしい。
多くの作品が見れる:francis-bacon.cx / abstract art gallery paintings oil acrylic collection
特に、これらの絵これらの絵を参考に描かれたものだと思われる。

調べているうちに、谷口幹也、フランシス・ベーコンを語るという文章を見つけた。
美術教育に関するこの論考は面白かった。
「誕生は自分の意志の外の出来事である。自分が生れたこと、およびそれにともなう外=親からのこうした強制的な書き込み、すなわち暴力。これが誕生という、母胎からの分離劇における主人公である子供の内的構成である。(…)このマスメディアの中における悲劇は、恐怖といった非日常への入り口さえも、消費への入り口に改ざんしてしまう。(…)彼の絵の持つ暴力性とは、戦争などの暴力ではなく、私たちがここに存在すること、存在それ自体が孕む暴力性のことだったのではないだろうか。」
存在それ自体が孕む暴力性。それは原罪とはどのくらい違うものなのだろうか?

フランシス・ベーコン、Blanka Dvorak、肉と血の絵画さんとこで、「ベーコンが肉体に「性や生」を感じさせるのにたいし、この方は肉体に「死」を感じさせる」というBlanka Dvorakによる絵画作品ギャラリーを知りました。
参考までに。

古屋氏はその後『少年少女漂流記』(乙一氏との共著)や、『彼女を守る41の方法』などを描いていくが、その原点が垣間見れる作品でした。

古屋兎丸
ところで、この人って高校の美術講師?!(年齢も思っていたより年配の方でした。)

うさぎ☆ひとりクラブ
古屋氏のブログ。
posted by B&M at 21:27| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0071『Palepoli』

★★★3
Palepoli
Palepoli
古屋 兎丸

さて、前回(0070『Wsamarus 2001』)に引き続き古屋兎丸氏の4コマ集です。

縦横無尽のパロディ。
有名で誰でも知っているものから、おそらく何かから引用はしているのだろうけれどマニアックで僕の知らないものまで。
繊細な絵柄でエロ、グロ、タブーなく描いていきます。

連作ものもあり、それぞれをちょっとずつループしながら進んでいったりして、なかなか楽しく読めました。

※性的・残酷シーンに弱い人はお控え下さい。

きみにはさいのう
がないのでもうやめ
なさようなら
てづか(没のオバケー完結編ー)
posted by B&M at 19:24| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0070『Wsamarus 2001』

★★2
Wsamarus 2001 (Cue comics) [コミック] / 古屋 兎丸 (著); イースト・プレス (刊)
Wsamarus 2001 (Cue comics)
古屋 兎丸

今ごろ気づいたのだけれど、雑誌『ダ・ヴィンチ』で連載中の「鈍器降臨」のマンガは古屋氏のものだった。
なので、僕にとってのはじめての古屋マンガはいつからか目にしていたこの「鈍器降臨」らしい。

エロ、グロ、神、女子高生、パロディ・・・。
かなりバラエティーに富んだ画が魅力。
その絵の細かさや巧さ、上手さゆえに、内容のほうがまだ追いついていないような段階。

でも、けっこうはまってしまった。

※性的・残酷シーンに弱い人はお控え下さい。

これよりあなたの頭に
Wsamaru2001をインストールします。
続けますか?
posted by B&M at 18:24| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月04日

0069『教育論文の書き方』

★★★★4
教員採用試験 教育論文の書き方〈2008年度版〉 (教員採用試験シリーズ) [単行本] / 教員採用試験情報研究会 (著); 一ツ橋書店 (刊)
教員採用試験 教育論文の書き方〈2008年度版〉 (教員採用試験シリーズ)
教員採用試験情報研究会

そんなにあまた論文試験対策の本を読みあさったわけでもないが、教採受験者にとってなかなか良い参考書ではないか。

教員採用試験に関係しない多くの人にとってはまったくもって異世界の本かもしれない。
でも学校教育にいくぶんかでも興味がある人が手に取れば、十分面白い本なのではないか。

第一章で「教育論作文の基本知識」として、教職とその周辺に関するダイジェストがある。これが案外読みごたえがあった。論文というものが情熱のぶつけどころ、教職への意気込み、理解、将来などを語るものであるからか。

第二章は書き方。基礎を学べる。

そして、第三章は第二章の応用か。「採用される論作文のテクニック」

ここまでを70ページほど割いて、次いで200ページほどを実際に書かれた論文をサンプルとしてあげ、さらにそれぞれABCDで評価している。(Dは掲載されていない。ひとつふたつは載せてもよいかと思うが・・・。)
いろいろな人々の教職に対する熱を感じたり、成長途中の未熟さを感じたり・・・。

最後にちょっとした付録もある。
「課題例」の「特色ある課題」の最後のひとつ、
(16)ペンは一本、箸は二本
ってなんだろう。
書くための意志は一本。ひとりで考え、ひとりで紡ぐ。
ものを口へ運ぶ運搬は二本。ひとりでは突き刺して運ぶしかない。突き刺しにくい豆なども、二本なら運べる。食事は二人以上で食べたほうがおいしい。一本ではできないこともある。
うーん、微妙なことしか書けない(汗
他、「合格体験記」、「最近の出題と傾向分類」。

形の上での責任遂行は、教育機器にも劣ると知るべきである。
posted by B&M at 22:15| Comment(0) | TrackBack(1) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0068『監督不行届』

★★★3
監督不行届 (1巻完結)
監督不行届 (Feelコミックス)
安野 モヨコ

『エヴァ』の庵野監督、『働きマン』などの漫画家安野モヨコさん。(あぁ、『エヴァ劇場版』早く見たいっ!!!地方はまだ未公開なんです。それと、『働きマン4』出てましたね。やっぱり面白い。)
夫婦のふたりの生活を描いた、オタクでディープで楽しいエッセイ漫画。
どこかズレてるふたりの愛情、ケンカもすれば歌ったり、泣いたり、風邪を引いたり。
のほほんと続きます。

巻末に庵野監督のエッセイと用語解説(オタク編)を収録。
こんな夫婦、いいですよねぇ・・・(ほほ笑み)
 嫁さんのマンガのすごいところは、マンガを現実からの逃避場所にしていないとこなんですよ。
posted by B&M at 00:01| Comment(0) | TrackBack(1) | マンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月02日

0067『ハチミツとクローバー』

★★★★★5
ハチミツとクローバー 1 (クイーンズコミックス―ヤングユー) [コミック] / 羽海野 チカ (著); 集英社 (刊)
ハチミツとクローバー (1) (クイーンズコミックス―ヤングユー)
羽海野 チカ

桜の花が好きだ でも なんでだろう
散ってしまうとホッとする

消えていくのを惜しむ
あの切ない気持ちから解放されるからだろうか
1年前、『ハチミツとクローバー』第10巻が発売され、物語は終わった。
最後のページで彼らがお辞儀をしたのは2006年8月、発売日は僕の誕生日と同じ日だったりして、運命を感じたりする。

誰にとってもそうかもしれないけれど、特別な作品だ。

夏の終りに全10巻を読み直した。
1年ぶりに物語を紐解いた。
読むごとに泣いてばかりいた。
そんな感情を、久々に思い出した。
痛過ぎてふだんは聴くことができない想いがふと耳をかすめた。
また少し年をとったのだなあ、と思う。

「ねえ先生?」
「んーー?」
「私ずっとこのままなのかな。一生このままずっとひとりぼっちだったらどうしよう?」
分析的に読んでみる。
全員が片思いの関係から、やがてあるべき場所に収まっていく。
同時進行する科白が多い。
ダイアローグなのか、回想なのか、想いが想いを呼んで、二重奏みたいになる。
時にはこちら側の音も聴こえて、三重奏、四重奏。
すごいよ!!マサルさん』に似たタッチをときどき混ぜながら、楽しくも可笑しく、哀しく、切なく、物語は進んでいく。
キャラクターたちがみんな、いい。
みんながいたわりあい、見守り合っているかのような濃密な空間。
作者の羽海野さんのやわらかな視点がそこに降り注いで、なんとも言えない温かみに触れる。
あと、動物たちがよく出てくるけれど(作者さん自身も動物ですが)、これがまた可愛いんです。

映画版は見ていないけれど、スピッツがよく似合う作品です。(映画版の主題歌は『魔法のコトバ』だった。)

羽海野さんは現在ヤングアニマルにて『3月のライオン』を連載されているようです。
コミックになったら買ってみようと思います。

作者ブログ:さるさる日記 - ウミノの日々

側にいる人間が揺らいだら
溺れてる人間が掴まるものが無くなってしまうだろ?


ハチミツとクローバー 10巻セット (クイーンズコミックス) [コミック] / 羽海野 チカ (著); 集英社 (刊)
ハチミツとクローバー 10巻セット (クイーンズコミックス) [コミック] / 羽海野 チカ ...
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2007年09月01日

0066『ありがとう、さようなら』

★★★★★5
ありがとう、さようなら (ダ・ヴィンチ ブックス) [単行本(ソフトカバー)] / 瀬尾 まいこ (著); メディアファクトリー (刊)
ありがとう、さようなら (ダ・ヴィンチブックス)
瀬尾まいこ

0010『見えない誰かと』に続く著者の2冊目のエッセイ集である。
雑誌『ダ・ヴィンチ』2003年9月号から2007年4月号まで連載されていたものに、若干の加筆・訂正、いくつかの書き下ろしが加わっている。
雑誌の方ではAyumi Shimodaという人のほのぼのイラストも楽しめた。
僕は『ダ・ヴィンチ』を購読していないのでときどき目にしたくらいだけど。

やはり同じ職業として、一人の先輩として、大事な人だ。
その一編一編を読むごとに、早く学校に行きたいという気持ちがいっぱいになる。
そして、早くそんな担任がしてみたい、そんな生徒と出会いたい、と思う。

また、教師兼小説家としての先輩としても大事な人だ。
この仕事をしながらも書けるということで、僕を計り知れず勇気づけてくれた。
陸上部の男の子が「ファンです」とたずねてきたということだが、そしてご自身あとがきにも書かれているが、教師というただでさえ風当たりの厳しい職業に、小説家というオプションを携えて。
どれほどのプレッシャーだろうかと思う。

それでもひょうひょうと生きていらっしゃるのだろうか、なんて思わせてくれるから、このエッセイはすごい。

本を通じて、僕も瀬尾先生の生徒のひとりになれました。

「おみゃあが出してる学級通信と区別つかんわや」
『ダ・ヴィンチ』2007年9月号にこの本の広告が載っていた。
そこには読者のあたたかい感想が書かれてある。
ふたつほど引用したい。

「私はのんきでめんどくさがりやで、勉強嫌いの陸上バカですが、やっぱり先生目指して私なりに努力して見ようと思いました。(15歳 女性)」

「私も中学校の講師をやっていることもあり、瀬尾さんの作品に出てくる中学生の言動が手に取るようにわかります。作品に勇気づけられて、やっぱり教師って面白くて、素晴らしい仕事だと実感しました。(27歳 男性)」

文庫版が出ています。
ありがとう、さようなら (MF文庫ダ・ヴィンチ) [文庫] / 瀬尾 まいこ (著); 志村貴子 (イラスト); メディアファクトリー (刊)
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0065『考える技術・書く技術』

★★★★★5
考える技術・書く技術 (講談社現代新書 327) [新書] / 板坂 元 (著); 講談社 (刊)
考える技術・書く技術
板坂 元

結局3連続で行った「僕が大学時代に読んだ、自分の知的活動において重要な本」シリーズの最後の一冊。
参考:
0063『「知」のソフトウェア』
0064『知的生産の技術』

1973年刊のこの本は、今から30年以上前にあって現在の良質なHacksを集めたような楽しい読み物である。
ただのテクニックの羅列ではない、読む楽しみが共存している。
それでいて、頭のウォームアップから型の話、ブレーン・ストーミング読書、そして最終的に発想から組立までの「書く技術」へ。
内容はこれでもかというほど充実している。

著者自身のテクニックに対する疑問、不安のようなブレも見られ、そういう謙虚さや慎重さは体得するべきであろう。

 現在は妥協して、カードを山ほどつくっているけれども、カード・システムに避けがたくつきまとう非人間的な要素を、なんとかして弱くしようと努力している。
この本も講談社現代新書なので、以前の表紙の写真を付け加えておく。
Image

0064『知的生産の技術』

★★★★4
知的生産の技術 (岩波新書) [新書] / 梅棹 忠夫 (著); 岩波書店 (刊)
知的生産の技術

梅棹 忠夫

0063『「知」のソフトウェア』で触れたが、大学時代に読んだ、僕にとって重要な「知」の手引書のひとつ。

1969年が第1刷の本書は、多少時代遅れな点があってもその根本的な部分は変わらない。
過去を愉しみながら、歴史を感じながら楽しむのがいいだろう。

著者は「学校は知識の獲得のしかたは教えない」と言うけれど、いまや時代は逆転していはしないか。
塾や学校でいかに点数をとるかのテクニックを教える。
やり方ばかりを愛でて、本質に触れない。
あるいはそのように「やり方」がしっかりと流通したことに対しては、この本の功績は大なのかもしれない。

学校で教えるべきは「勉強の仕方」だけではない。
知に対するあこがれや姿勢、情熱なども教える。
だからこそインターネットでは勉強は成立しない。

著者が自身の興味を満たすために編み出した方法を追いながら、「仕方」と、それを利用し探求する「知」のコンテンツの両方を楽しむ。
いささか前者の「仕方」のほうに重きが置かれているが、それゆえ、普遍的な知の探求書としてはわかりやすいしよい。

 これはむしろ、精神衛生の問題なのだ。つまり、人間を人間らしい状態につねにおいておくために、何が必要かということである。かんたんにいうと、人間から、いかにして《いらつき》をへらすか、というような問題なのだ。整理や事務のシステムをととのえるのは、「時間」がほしいからでなく、生活の「秩序としずけさ」がほしいからである。(p95、《》内引用元では傍点)