2009年10月21日

0549『トパーズの誘惑』

★1

トパーズの誘惑 (角川文庫)

トパーズの誘惑 (角川文庫)

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1993/09
  • メディア: 文庫



村上龍氏の小説『トパーズ』の映画化に際して作られた本。
スピリチュアル・メッセージ、脚本、吉本ばなならとの鼎談、いろんな自著からの言葉の引用、といった構成。
小説も映画も見たが、それらがやがて『ラブ&ポップ』に受け継がれていく。
「夜の女」は、現在も存在する。
何が変わったというものでもない。

 映画という物語の中で、主人公が、どのような変化をして、それをどのように表現するか──、それが映画のドラマツルギーだと感違いしていた。
 人間がたった九十分のフィルムの中で変わるわけがない。
 文字通り、死んでも変わらないのである。
 アイは変わらない、・・・人間がいかにして変わらなかったか、を表現しなくてはいけない・・・私は、それを『トパーズ』の中で気付いた。(あとがきにかえて)
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0548『本多静六一日一話』

★1

本多静六一日一話―人生成功のヒント366 (PHPハンドブック)

本多静六一日一話―人生成功のヒント366 (PHPハンドブック)

  • 作者: 本多 静六
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 新書



日めくりのように日々、偉人の言葉に学ぶ本。
「日本公園の父」とされ、退職後25年人生学の勉強をし、いろいろな人の相談相手になったという本多氏の言葉たち。

一杯の天丼を一杯だけ注文して舌鼓を打つところに、本当の味わいがあり、食味の快楽がある。(2月22日 天丼哲学)
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2009年10月20日

0547『作家の値うち』

★★★3

作家の値うち

作家の値うち

  • 作者: 福田 和也
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2000/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



福田和也氏による、古今東西日本小説メッタ斬り!
100点満点で小説を評価している。
正直であるがゆえに、時には辛口であることが誠実である、とするような氏の姿勢と、その勉強量に感服させられる。
途中に挟まれるコラムも面白かった。
巻末には評点別作品一覧がある。

ちなみに0338『ねじまき鳥クロニクル』は96点。「90点以上、世界文学水準」であり、本書内最高得点。
0534『限りなく透明に近いブルー』71点。
0445『鉄道員』51点(作家としての退廃?)。
というような感じ。

『アムリタ』35点 アンドレ・ジード風の、小説内小説という形式を用いているが、まったく効果をあげていない。(p229)
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0546『日々のこと』

★1

日々のこと

日々のこと

  • 作者: 吉本 ばなな
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • 発売日: 1991/12
  • メディア: 単行本



季刊雑誌「フェミナ」に連載されたという、'88冬〜'91春までの、くだらない日々のことを書いたエッセイ集。

 しかし、私のエッセイは下らない。
 プロフェッショナリズムというものがまるで感じられない。
 申し訳ない、買った人。
 しかし、初期のころのエッセイには新人独特の、「自分で自分の役割を無意識のうちに演じている」というおもむきがあって、いじらしい。ばなちゃんがんばってたのね。(p196)

しかし、そうした「くだらない日常」にこそ、本当の幸福はあるのかもしれない。
いかにも意味あり気に書かれたものを意味あり気に読むことも必要なのだろうが(ふ〜むふむふむ!)、ただ日々起こり、忘れられていく他愛のないこと、そういうことを書き留め、そのほとんど忘れられても仕方のないような日々の幸せに本という形を与えて世に送りだし、存在させた功績は大きいかもしれない。

 日常にはほんとうにいろんなことがあるが、しばらくこの本に書いてあるようにギャーギャーさわいでもすぐに忘れてしまう。でも、多分、決して消えてなくなりはしない。(p198)


以下は文庫版。

日々のこと (幻冬舎文庫)

日々のこと (幻冬舎文庫)

  • 作者: 吉本 ばなな
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 1997/08
  • メディア: 文庫



posted by B&M at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0545『心のライフライン』

★★★★4

心のライフライン―気づかなかった自分を発見する

心のライフライン―気づかなかった自分を発見する

  • 作者: 河村 茂雄
  • 出版社/メーカー: 誠信書房
  • 発売日: 2000/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 私は二十五歳とき、酒浸りの不摂生とスポーツでの怪我の後遺症で、激しい吐血をし、約一年間入院生活を送りました。最初の半年は、大手術を含めほとんど集中治療室に入院していました。その後、容体が少し安定し、集中治療室の隣の隣の二人部屋の病室で、三か月間を過ごしました。(あとがき)

ライフラインとは、上下の幸福度の軸に、左右の年齢という軸、この二つの軸で描く心の浮き沈みのグラフである。(表紙にその一部が描写されている。)

・リーダーの子につくような友人関係(小中学校時代、幸福感がかなり高い)
・高校受験に失敗(高校時代、幸福感がかなり低い)
・グループに入り、安定(大学時代、幸福感がまあ高い)
・恋愛関係がこじれる(大学卒業直前、幸福感が少し低い)

というような、人生の幸福度の浮き沈みと共に、その時期のイベントを書いていく。

本書は、若者が書いたライフライン図鑑のような趣きで、現代の若者の苦悩や生きにくさを浮き彫りにしようと試みている。
また、そうしてライフラインを書くことで、自分自身と向き合う契機にできるよう指南している。
第4章では、これからのライフラインを創造するために、今の自分とどう向き合うかについて書かれている。

今読み返してみて物足りないのは、本書が20代前半の学生達のライフラインにしか触れていないからだろう。
もちろん、その時期を過ぎた大人たちが、その時期を生きる若者たちを理解するためにも、本書はある。
けれど、今の僕にとっては、やはり今後のライフライン──もっと長いライフライン──に興味がある。
もちろん思春期・青春時代のそれは、その人に深い影響を与えるだろうが、学生時代にのみ視点が集中しているという面で、ちょっと本書は物足りない印象を受けた。
しかし、著者には他にもたくさん著書はあるし、「心のライフラインシリーズ」も刊行されているようなので、続きはそれらの著書の中に求めるとしよう。

中二の頃を思い出すたび、「人って弱いものだよなー」とつくづく思います。自分のなかにある認められない感情を正当化する技術に、いくら長けていても、いつか破綻するものなのです。この出来事は、のちの私に多大な影響を及ぼすことになりました。(p131 第2章 学生たちのライフライン)


posted by B&M at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0544『教育学入門』

★★★★4

教育学入門 (子どもと教育)

教育学入門 (子どもと教育)

  • 作者: 藤田 英典
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1997/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



確か大学の講義のテキストだった。
社会・歴史・思想の3つの視点から現代教育の構造と問題点を明らかにし、「教育学」は何をしようとしているのか?について書かれている。

現実に行われている教育実践を研究する「教育学」。
「教育という現象は、いろいろな力が働きあって生じている(p252)」が、それらを総体として、一つの概念でつかんでみる。

特に、田中孝彦氏の「人間教育である生活綴方教育」が印象に強かった。
生活綴方教育とは、「人間の生活と成長にとっての自己表現の意味、とりわけ生活実感を書き言葉で表現することの意味に着目し、子どもが生活をありのままに綴ることを重視する(p181)」教育活動である。

現在、子どもたちが使う計画帳に日々の「日記」を書かせることを実践しているが、その指導に活かせるな、と思った。

 それについて先生は、泉が、年老いた祖父母が泉の母親に気を使いながら生きているということを敏感に感じていたからこそ、あの場面は、「家族の和を深めた機会であったにせよ、泉にとっては、あまりにもなまなましくて、書けなかったのではなかろうか」と考えています。また、もし泉があの場面を綴っていたら、「もうそれは大部分私がおどらせていたことになっていたかもしれない」と言っています。(p237)
posted by B&M at 22:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月19日

0543『掃除当番』

★★★3

掃除当番―武富健治作品集

掃除当番―武富健治作品集

  • 作者: 武富 健治
  • 出版社/メーカー: 太田出版
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: コミック



『鈴木先生』の武富建治氏の、20代から30代にかけての短編集。
絵が劇画チックというのだろうか、リアル志向で、時々気持ち悪いくらいになる。
文学的というか、ちょっと距離感をとりにくい漫画だ。
描かれていることは予定調和的なものではなく、ほんとう、理不尽な終わり方とかもある。嘘がない。

特に引用の『まんぼう』は鋭かった。。。

「例のあだ名ユリ子のことじゃないんだよ」
「知ってたよ・・・」

立ち直るまでに
──3年を要した(p118)
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0542『他人をほめる人、けなす人』

★★★3

他人をほめる人、けなす人

他人をほめる人、けなす人

  • 作者: フランチェスコ アルベローニ
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 1997/10
  • メディア: 単行本



その時期ベストセラーになったビジネス書。
いろんな人をタイプ別に解説。
その中に、機微に富んだ語りが冴える。

夫がデュッセルドルフとかアルジェリアとかの遠いところに出張でもすると、すぐに電話をかけて、子供が具合が悪くなったと告げる。それも、わざと曖昧(あいまい)な話し方をして、心配はないからと言いながら、声の調子や息づかいで自分の不安が夫に伝わるようにする。夫としては手の施しようがないのだが、その心の緊張は不眠を招き、気の毒な妻を一人にしてきたことへの罪悪感ともなる。(p20陰口をたたく人)
posted by B&M at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0541『FRUITS BASKET』

★★★3

FRUITS BASKET(フルーツバスケット)―吉本ばなな対談集

FRUITS BASKET(フルーツバスケット)―吉本ばなな対談集

  • 作者: 吉本 ばなな
  • 出版社/メーカー: 福武書店
  • 発売日: 1990/09
  • メディア: −



「吉本」ばななの対談集。
村上龍、内田春菊、高橋源一郎氏などと豪華な顔ぶれ。
まだ20代前半、デビューしたての頃の貴重なインタビュー集。
創作の秘訣などにも触れられる!?

吉本 いろんなタイプの小説を練習していって、そういうものが全部一つにまとまったようなものが書けたら、それが大きい小説なんだろうなというような気はしますけどね。いろんな要素を取り出して、自分なりに味つけする感じで、いま一生懸命練習しているんですけれど、あまり公の場所で練習すると良くないみたいで、いろいろ問題はあるんですよ・・・。(p206 with高橋源一郎)


文庫版が出ているようです。

FRUITS BASKET―対談集 (福武文庫)

FRUITS BASKET―対談集 (福武文庫)

  • 作者: 吉本 ばなな
  • 出版社/メーカー: 福武書店
  • 発売日: 1993/04
  • メディア: 文庫



posted by B&M at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月18日

0540『教師の仕事 365日の法則―見て学ぶイラスト版』

★★★3

教師の仕事 365日の法則―見て学ぶイラスト版

教師の仕事 365日の法則―見て学ぶイラスト版

  • 作者: 向山 洋一
  • 出版社/メーカー: 明治図書出版
  • 発売日: 1998/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



かの向山洋一氏の著書に、前田氏が漫画をつけた。
非常に読みやすい。
ただ、ギャグやオチなどはクサイし、古い。
まあ、教育は不易と流行を見きわめ・・・というから、そのあたりも、読むほうの手腕にかかっている、と思えばいいだろうか。
教師、ふと自分を振り返りたい時に。

 夢を描かなければ、何事も始まらない。夢を描いたら、それを実行していくためのある種の「狂気」が必要だ。
 私は、自分でまともな「常識的な人間」と思っているが、他人から見ると「狂気いっぱい」だそうだ。何事かをやる人間には、ある種の迫力があるのだろう。(p99「12次に策が必要である」)
posted by B&M at 07:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする