2018年03月30日

0980『仕事なんか生きがいにするな』

★★★3
仕事なんか生きがいにするな 生きる意味を再び考える (幻冬舎新書) -
仕事なんか生きがいにするな 生きる意味を再び考える (幻冬舎新書) - 泉谷閑示

「生きる意味を感じられない」という、「温度の低い」新しい苦悩。
ハングリー・モチベーションが見つけられず、働くことこそ生きること、とも思えない時代。
それは、夏目漱石の描いた「高等遊民」の苦悩と同じものでもある……。
本書はこのあたりのことを、第1章から第4章まで、わかりやすい口調で考えていってくれる。

本当の自分は果たしてあるのか?
本当の自分探しなどに意味はあるのか?
そこから、第5章の「日常」を楽しむこと、日常に「遊び」を取り戻すこと、ということへつながっていく。
創造的に遊ぶこと。
食を日常の義務とするのではなく、味わうこと。
即興にゆだねてみること。

いかに生きるか、ということについて再考させられる本、という意味では、いろんな「心」や「生き方」や「人生哲学」なんかの本と同じなわけだが、特に、「自分にあった仕事」探しなんかで心悩んでいる人に向けて書く、という制限で書かれた本。
すなわち、仕事をして、お金を稼いで、税金を支払って、家族を養って、自分の墓を用意しなければならない私たちのために書かれた本だった。

またそういうことについて考えたくなったときに、再び開きたい本。

「今を生きること」を犠牲にして、その分何かを貯め込んで将来うまいことをやってやろうといった卑しい「頭」の発想は、われわれの将来が未知であることの不安にうまくつけ込み、数々の金融商品や保険商品等を生み出しました。そういったものをすっかり否定するつもりはありませんが、しかし「今を生きること」をないがしろにしてまで将来に備えるのは、本末転倒以外の何物でもありませn。(p184)
posted by B&M at 04:29| Comment(0) | 哲学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0979『スター・ウォーズに学ぶ「国家・正義・民主主義」』

★★★★4
スター・ウォーズに学ぶ「国家・正義・民主主義」 岡田斗司夫の空想政治教室 (SB新書) -
スター・ウォーズに学ぶ「国家・正義・民主主義」 岡田斗司夫の空想政治教室 (SB新書) - 岡田斗司夫

スター・ウォーズにハマってから、それに付随するカルチャーを追いかけているうちに、この本に辿り着いた。
スター・ウォーズから、国家とか正義とか民主主義とか、つまり政治について考える。
その方面に疎い僕にとっては、格好の一冊だと思った。

ただし、アマゾンのレビューなどでも触れられているけれど、「スター・ウォーズ」一色の本ではない。
アメコミや、ガンダムや、ハインラインの小説作品などを扱いながら、いい意味でのオタク視点の政治を紐解いていく。

読んでみて、その読みやすいことに驚く。
わかりやすい。
おもしろい。

オタクで中途半端なリバタリアンだけど、アニメやSFを通じて政治をオモシロがっている。
そこに、冷静で、時に的を得た視点がある。

アニメやSF作品を通して、世の中の見方が変わる、良書でした。

ジェダイは徹底して愛情を否定し、戒律を守ることを強要し、使命のためなら、ためらいなく友だちも見捨てる。一見すると侍のようですが、心の中には熱いものがまったくありません。(…)ひょっとしたら、人間性を全否定する「ヨーダによるジェダイ」が間違っていただけで、愛や人間性を肯定する「ルークによるジェダイ」が正しかったのかもしれません。(p49-50)
posted by B&M at 04:18| Comment(0) | 社会(・貧困・格差) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月24日

0978『スター・ウォーズ論』

★★★★★5
スター・ウォーズ論 (NHK出版新書) -
スター・ウォーズ論 (NHK出版新書) - 河原一久

数年前、ニュースで、ジョージ・ルーカスが生み出した伝説の映画、『スター・ウォーズ(SW)』の版権が、ディズニーに買収された、という話は知っていた。
その以前が以後か、SWのエピソード1〜3くらいは、それなりに見ていたと思う。
が、そこまでどハマりするというほどのものではなかった。
エピソード4〜6については、古い映画だ、くらいにしか思っていなかった。
だから、ダース・ベイダーについても、詳しくは知らなかった。

昨年、スター・ウォーズ、エピソード8が公開されるということで、EP5、6、7を民放が放映した。
そのとき、息子が興味を示したのを皮切りに、どんどんと親子でのめりこんでいった。
そして、エピソード7を心待ちにするようになり、一緒に見たとき、ふたりで「ミレニアム・ファルコン!」と叫んだとき、興奮は臨界点を突破していたように思う。
その後、親子はエピソード8を映画館に見に行く。
息子にとっては、初の映画館で見た洋画であり、2時間半椅子に座り続けることができた映画になったのであった。

 「なぜ面白いのか?」は本当に解けない謎なのだ。多くの学者たちは「神話の持つ普遍的なテーマを内包している」とう点に答えを求めるが、本書の中でも言及するように、それで全てを解明したとはとても思えない。(p14)


この本は、スター・ウォーズの日本語字幕監修に携わったという著者が物したもの。
SWの文化(連帯)、歴史、買収劇、映画史、参考にされた映画など、情報量がすごい。
SWについて深く知りたいと思い、手にしたが、満足の一冊だった。

ルーカスからディズニーへ、というところの話も面白く、ディズニーのすごさや、ルーカスの隠遁(笑)、しかし作品の普遍化など、参考になる部分が多かった。
ピクサー、マーベルなど、それぞれの独自性を尊重するディズニーのやり方を称賛していた。

書かれたのはエピソード7以前のようだが、それ以前の歴史や情報についてもしっかりしているので、あとになっても読めると思うので、星5つ。

未来について書かれていたところは、著者の言っていたことが当たっているか、楽しみである。
posted by B&M at 11:42| Comment(0) | 社会(・貧困・格差) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月18日

0977『ダース・ヴェイダーとルーク(4才)』

★★★★★5
ダース・ヴェイダーとルーク(4才) -
ダース・ヴェイダーとルーク(4才) - ジェフリー・ブラウン

スター・ウォーズ(SW)のヴェイダー卿の子育て。
絵柄がかわいすぎる。

「そして父と息子として共に銀河を支配するのだ!」
「そしたらおやつくれる?」


エピソード8の公開に先立ち、エピソード5、6、7がテレビで放映されていた。
それで、息子と共ににわかSWファンになった。
今や、家には2本のライトセイバーとレゴ・ミレニアムファルコンがあるくらい。
こんなに面白いものだったのか、と仰天した。

だめだ、ハン・ソロとは遊ぶな。絶対にだめだ。


SW本編のいろいろがわかっていなくても十分に絵柄や、子煩悩な父親、親子の素敵な関係性は楽しめるだろうが、僕には本編への華麗なる言及が面白すぎた。
ルークが野球ボールをライトセイバーで斬ってしまっているのは、あの修業を思い出させる。
ルークが右手首に擦り傷を負って、それにパパが絆創膏を貼ろうとしている(切り落とされたのでなくてよかった!)。
ヴェイダーパパが、息子にダース・モールを描いて教育している。あるいは、「ダース・モールはぱっととんで、クワイ=ガンを倒しましたとさ・・・」と夜、読み聞かせをしている。(もちろん、ルークは眠れない。)
ルークが危なっかしい高所にいて、ヴェイダーパパが「ルーク!危ない!戻ってきなさい」(その後落下しなければいいのだが)。

そして、ジャージャービンクスのおもちゃを前に、
ヴェイダー「これはおまえが探していたおもちゃではない……」
ルーク「ううん、これがそうだよ。」
※旧3部作のSWファンは、ジャージャーを受け入れられなかったらしい。

子育てとは、常に、うまくいかないものである・・・それは、SW本編も、この絵本も、同じように述べていることだ。

それでも、最後のページは、

「パパ、大好き」


と言って、膝に抱きついてくるルークなのだ。

 ***

以下の続編2編も読んだ。

ダース・ヴェイダーとプリンセス・レイア -
ダース・ヴェイダーとプリンセス・レイア -

こちらは、思春期にさしかかるレイアの子育て。
徹底的に反抗され、反発され、思い通りにいかない娘の子育て。

ヴェイダー「フォースのダークサイドの力がどれほどか、おまえにわかれば・・・」
レイア「わかってるって。もう耳にタコができるほどきいたもん。それに、人生には力以上に大切なものがあるのよ。」

それでも最後は抱きしめられて、赤くなるヴェイダーパパ。

 ***

おやすみなさいダース・ヴェイダー -
おやすみなさいダース・ヴェイダー -

こちらは2ページ構成で、寝る前のSWのいろいろなキャラクターに言及。
例えば、パジャマを着るとジャージャーは、いつでもきまって、すってんころりん(耳が腕に入ってる?!)。
例えば、夜の読み聞かせの途中で、シュー、コーと寝てしまっているヴェイダーパパ。

いずれも図書館本。

さらにもう一遍出ているらしい。
それもいつか読んでみたい。
posted by B&M at 15:20| Comment(0) | 絵本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年01月08日

0976『フィンランド教育 成功のメソッド』

★★★★★5
フィンランド教育 成功のメソッド~日本人に足りない「実現力」の鍛え方~[マイコミ新書] -
フィンランド教育 成功のメソッド~日本人に足りない「実現力」の鍛え方~[マイコミ新書] - 諸葛正弥

フィンランドの教育は、日本人が(あるいは世界が?)注目している教育だ。
ここ数年、私も、自分を拡張しようとして、フィンランド教育について勉強していた。

本書は、偶然にも他で読んでいた「プロ教師力アップ術55」という本の著者のものだった。
著者が、フィンランドの教育を参考にして、自らの教え方のメソッドを打ち立てた、と知って、なおさらに興味が湧いたものだ。

努力した過程を認められる経験がなければ、子どもたちは結果だけを求めるようになり、努力することへの価値を見出せなくなっていくのです。(p266)


フィンランド教育のルポや報告ではなく、そこから日本社会へ向けて、著者なりの視点でメッセージを送っているような本だった。
それだけに、そのメッセージ性のようなものが、自分と合ったので、高評価とした。

参考:
0960『図解フィンランド・メソッド入門』
posted by B&M at 14:45| Comment(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0975『13歳からの論理ノート』

★★★★4
13歳からの論理ノート -
13歳からの論理ノート - 小野田博一

論理的って、どういうことか?
わかりやすく、おもしろく、書かれてあった。
そして、なぜ論理的でなければいけないか、についても、よくわかった。
教育の場で、日々この国の中で生きる中で、思い出したい一冊。

 日本人の場合、年をとるにしたがって「なぜ?」と聞くことが少なくなっていきます。
 察する習慣をつけさせられるからでもあり、「目上の者に従順に従うのが美徳」という考え方(「**してくれ」と言われたら、「なぜ?」と聞くのではなく、ただ従順に「はい」と答えるべき、という考え方)を身につけさせられるからでもあります。(p75)


なぜそうなるのか?という疑問がなければ、「なぜそうなるのか?」を「論理的」に述べることもない。
日本人が論理的でない、ということを、本書は述べている。
posted by B&M at 14:34| Comment(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0974『教師が40代で身につけたい24のこと』

★★★★★5
教師が40代で身につけたい24のこと -
教師が40代で身につけたい24のこと - 堀裕嗣

四十代の敵は何といっても「自らを発展途上人と位置づける謙虚さの喪失」と言えるでしょう。(pp21-22)


この引用にすべてが書かれてあるように思う。
一生勉強。
一生学び続けるという姿勢でいること。
教師にはそれが大事だと、あの時、思ったではないか?

本書の中には、女性教師に気持ち良く働いてもらう、という章がある。
タイトルから年齢を限定し、さらにここから、男性に読者を狭めているところがある。
書かれてあることのエッセンスは、教員誰しもに当てはまるものだと思うが、このあたり、教員誰にでもお勧めできる、というものではないことを付記しておく。

値段も高く、その割りには内容は少なくすぐ読めた。
しかし、私にとっては非常に面白く、勉強になり、叱責になり、ご鞭撻になり、役にたった一冊。

 自分がある立場に就き、自分の裁量が大きくなるということは、図らずも他人の人生に関わることになるのだ。(p106)
posted by B&M at 14:29| Comment(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0973『思春期の子どもの心をつかむ生徒指導』

★★★★★5
思春期の子どもの心をつかむ生徒指導 10の心得&場面別対応ガイド50 -
思春期の子どもの心をつかむ生徒指導 10の心得&場面別対応ガイド50 - 垣内秀明

生徒指導って、どうすればいいんだろう、と悩んだときに手に取った一冊。
大変勉強になった。
著者の立ち位置も、姿勢も、読んでいて心地よかった。
師と仰ごうと思った。

その場で言うことを聞かせないと、自分の教師としての権威が崩れると思わないこと。(p63)
posted by B&M at 14:20| Comment(0) | 教育 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0972『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

★★★★★5
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫) -
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 (文春文庫) - 村上春樹

 世界はそんなに簡単にでんぐり返りなんかしません、と灰田は答えた。でんぐり返るのは人間の方です。そんなものを見逃したところで惜しくはありません。(p76)


単行本版で読んだ。(ので、引用ページは単行本による。)
長い間積ん読していた。
2017年の3月に読了したものを、今ごろになって投稿する。
記憶が定かではないが、「女のいない男たち」よりも先に、こちらを読み終えて、村上春樹に「戻って」いったのだと思う。

彼は混乱させられることに馴れていない。定められたフィールドの中で、定められたルールに従って、定められたメンバーと行動するときに、彼の真価が最も良く発揮される。(p166)


年齢も近い主人公。小説の「入り」も冷たい感触の無感情なところから。
小説の流れと、小説や物語の世界へ還ってくる自分の状態が重なって、その時の自分にとって最良の読書状態になったと思う。
なぜ自分がその集団からはずされたのか?
ミステリーのように、スリリングに過去に迫っていく。
沙羅さんという女性にどうしようもなく惹かれていく主人公の恋心にああまで共感できたのも、そういう土台作りがしっかりしたからだったかと思う。
示唆に富み、30代半ばを過ぎようとしていた自分にとって、最高の一冊だったと思う。

小説のラストで、僕は風の歌を聴き、どこかわからない場所へ電話をかけようとしていた。
これらは、村上春樹の過去の作品への言及もばっちり。
"だいぶすたれた村上春樹ファン"としても楽しめた。

 人生は複雑な楽譜のようだ、とつくるは思う。十六音符と三十二分音符と、たくさんの奇妙な記号と、意味不明な書き込みとで満ちている。それを正しく読み取ることは至難の業だし、たとえ正しく読み込まれてたとしても、またそれを正しい音に置き換えられたとしても、そこに込められた意味が人々に正しく理解され、評価されるとは限らない。それが人を幸福にするとは限らない。人の営みはなぜそこまで入り組んだものでなくてはならないのだろう?(p343)
posted by B&M at 14:16| Comment(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

0971『死ぬまでに達成すべき25の目標』

★★★★4
25の目標 -
25の目標 - 中嶋秀隆+中西全二

プロジェクト・マネジメントの第一人者が書いたらしい本書を、プロジェクトについて学んで、仕事もやりやすくしたいという思いと、それを人生にも応用して、もっとクリアなビジョンで生きれるようになるかな、という思いで手に取った。
しばらく積ん読期間が続き、手に取ったのが去年の頭。
それから、本のいでたちのいかがわしさから(失礼!)、読み捨てようと、小付箋で読み進めていたが、100ページくらいで付箋が尽きる。
ということは、学ぶこと多き書と見なし、以後は線を引き、蔵書化しようと思いながら読んだ。

著者二人が学んだ、多くの先人の知恵が、そこかしこにちりばめられている。

人生は、ミッションであり、プロジェクトである。
さて、今年を、いかように生きようか。

 人生が最も複雑になるのは、一般的に言うと、三十五〜四十歳ごろの人生の折り返し地点あたりからであろう。(…)毎日を楽しみつつ社会にお返しをする版だ。(…)この時期には、その複雑さを引き受けることになる。(p167)
posted by B&M at 13:57| Comment(0) | 整理法・手帳・書斎・家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする